私自身がエンジニアだったこともあり、10年前ぐらいからプログラミングのスキルが習得できる学校を作りたいという想いがありました。
ただ、自分自身が受けてきたプログラミングの教育に苦手意識を感じたこともあり、もっと違うアプローチでスキルの習得できる方法はないのかと模索していました。
そんなある日、外国の育児や乳幼児の教育のニュースをみていたら、”STEAM教育”という言葉に出会いました。
STEAMとは、(Science, Technology, Engineering, Arts, and Mathematics)の頭文字で、科学、技術、工学、芸術、数学の領域を統合し、子どもたちに主に問題解決能力・創造性を身につけるための教育アプローチとのことでした。
科学、技術、工学、芸術、数学の各領域一つ一つの工程をバッサリ切り分けるのではなく、誰もが問題発見からプロダクトやサービスが機能していくところまでの基礎的な部分の理解ができるようにしていける実践的な教育(日本の教育で表現すると文系・理系が融合された、少し理系寄りの教育)という印象を受けました。
残念ながら何かを作るときに、一つのスキルだけでは何も作り上げることができませんよね、、、
例えば、商品やサービスが機能するまでには、問題・課題発見、解決のための企画・技術・サービス開発・製造・販売など様々な要因がうまくかみ合い、プロダクトやサービスがようやく機能します。
そう考えると、多角的に物事を考える訓練的で実践的なSTEAM教育は、今の時代に必要な教育なのかもしれないと思い、そこから自社の英語教育サービスに取り入れはじめました。
海外では乳幼児期からでも実践しているSTEAM教育
さて、日本では現在一般的には学齢期から行われることが多いSTEAM教育ですが、海外では乳児期からでも実践している機関・施設があります。乳幼児期からでも実践できるのです。
私自身が、STEAM教育という存在を、乳児や幼児の取組の方法から知ったのがきっかけということもあり、逆に乳児にできるの?と聞かれたことがありますが、私にとってはそれがとても意外な質問でした。
ですが、日本ではSTEAM教育の中でもプログラミングの分野がとてもフォーカスされているため、STEAM教育の入り口がどこからかにより、イメージが大きく変わってくるかもしれません。
私は、0歳から実践している子どもたちへのアプローチの方法を最初に見たのが始まりでした。
先生たちは「なにかを直接教える」という姿勢ではなく、知的な好奇心を育む「足場架け」をしています。ファシリテーター、コーチングのような感じの方が近いようにも思えます。
それぞれの子どもの目標に合わせ、それぞれに適切なサポートをしています。
例えば、何かをたたくときに音のなり方の違いに興味を持っている様子を見せた子どもがいたら、絶妙なタイミングで違う素材でたたくと違う音が鳴ることを再現してみせたり
廃材で迷路を作ることを目標とした子どもが道をなかなかうまく作れない時は、その子供の作品を触るのではなく、道を作るにはこういうことが必要ではないかと思うが、あなたはどう思う?など目的までの正解のプロセスが一つではないことを示唆します。
乳幼児へのSTEAM教育のアプローチでは、その子供一人一人に合わせて異なるアプローチをしていたのがとても印象的でした。
そんな風にサポートされたら、嫌でも知的好奇心はどんどん育まれていくのだろうなと思ったほどです(笑)。
またSTEAM教育の面白いところは、教科書はほとんど使用しないケースが多く、そしてさまざまなスキルを実践的に学んでいるところが特徴的だと思います。
頭と手を動かすことに重きを置いて教育をしています。五感をフルに働かせます。
STEAM教育は、学力や偏差値など表す認知能力だけでなく、好奇心・意欲・創造性などの非認知能力を高めることも期待できます。
個人的には、五感の体験、非認知能力を育むという点では、ヒトとしての土台が作られる乳幼児の時期にとても必要なアプローチではないかと感じるのです。
子どもたちが好奇心旺盛で学びやすい時期だからこそ!
赤ちゃんや幼児は、新しいことを探求し、触れたり、感じたりすることを通じて学ぶことが多いです。
親や保護者は、子どもたちの自然な好奇心を活かし、STEAMの要素を取り入れた遊びや活動を提供することができます。
例えば・・・
・幼児向けのSTEAM教育活動の一つとして、色や形を学ぶことから始めることができます。
赤ちゃんが色と形の違いに気付き、触れて探求することで、視覚的な認識や触覚的な感覚を発達させることができます。
・また、基本的な数学的概念を紹介することもできます。
ブロックを積み上げたり、形を整理したりする活動を通じて、数の概念を育むことができます。
・さらに、物理的な実験や探索活動も乳幼児でしたら、非常に簡単な科学実験を行うことができます。
氷が溶け水になる、色々な形状の容器を使って水の流れを観察する、色の混ざりあいを見る。
このような取り組みは子どもたちに科学的な興味を持たせる良い方法となります。
・また、STEAM教育はアートの要素も含んでいます。
絵を描いたり、音楽を楽しんだりすることができます。たたく素材によって音が変わる。使う素材によってなる音が変わる。
など、子どもたちは表現方法や創造性を育みます。
STEAM教育を乳幼児期に取り入れることの利点は多く、科学的思考、問題解決能力、数学的なスキル、創造性、協力スキルなど、STEAM教育は幅広い発達領域にプラスの影響を与えます。
乳幼児期は遊びと学びを結びつけることが大切
最後に、STEAM教育を乳幼児期から導入する際には、「遊び」と「学び」を結びつけることが大切なのではないかなと思っています。
子どもたちは遊びを通じて楽しみながら学びますので、子どもたちの興味を引き、探求心を刺激する遊びを提供することが重要です。
さらに、乳幼児期であれば、親子で一緒に取り組むことにより、絆を強化し、共に学ぶ楽しさを体験できることも魅力です。
私自身、子どもたちとのSTEAMの活動の取り組みの中で今まで知らなかったことを発見したり、子どもたちから教えてもらうことがたくさんあります。
子どもたちが好奇心旺盛で学びやすい時期から、遊びと学びを通じて、探求心を育んでもらい、学びの喜びを見つけ、生涯学習者(Lifelong Learner)になってもらえたら願ってもないことです^^
<あんふぁんメイト Mika>
夫・長女4歳(幼稚園年中)
未就学児でも楽しめる”歴史”のことや、たまにSTEAM関連のおうち遊びを発信
配信: あんふぁんWeb
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