妊婦さんが紅茶を飲むときの注意点
紅茶や緑茶に含まれるタンニンの作用によって、吐き気や気分不快を起こす原因となることがあります。妊娠中につわりがある時期や胃腸の調子がすぐれないときは、紅茶や緑茶を飲む量を控えましょう。
以前は貧血で処方される鉄剤を内服する際に、お茶類に含まれるタンニンが鉄の吸収を妨げるため、お茶で飲んではいけないと言われていましたが、妊娠中に起こりやすい鉄欠乏性貧血の場合は、体内で鉄分を取り込む機能がパワーアップしているためにタンニンの影響は少ないという報告に基づいて、現在では絶対禁止にする必要性はなくなりました。ただし、つわりがある時期や胃腸の調子がすぐれないときに鉄剤を内服する際には、胃腸への負担を少なくするために紅茶や緑茶で内服することは避けたほうがいいです。
妊娠すると、書籍や雑誌、web上の情報の影響を受けて、過剰に体の冷えを気にして、紅茶などの飲み物も毎回ホットもしくは常温で飲まないといけない、冷たい飲み物は避けたほうが良いと思っている妊婦さんもいらっしゃると思います。人間は気温が変化しても体温を一定に保つ恒温動物です。寒さや暑さを感じたら、血液の流れる量を変化させたり、寒さを感じたら筋肉を震わせて体温を上げたり、暑さを感じたら汗をかいたりして、体温を一定に保つように調整しています。飲んだ飲み物の温度だけで、体温が変動するわけではありません。そのため、冷たい飲み物をまったく飲んではいけないということではなく、季節や妊娠中の時期に応じて口当たりの良い温度の飲み物を選び、リフレッシュしたり飲み物で楽しんだりする時間も取り入れていくようにしましょう。
紅茶以外の妊婦さんにおすすめの飲み物
最近は、カフェインレスの紅茶飲料や茶葉が市販されています。紅茶を楽しみたいけれど、カフェインの摂取量が気になる場合には、カフェインレスの紅茶を選びましょう。カフェインを含まない代表的なお茶は、麦茶とルイボスティーです。これらは、妊娠中に安心して飲めるお茶としておすすめです。
カフェインを含まないことが特徴のハーブティーを好む妊婦さんも増えていますが、ハーブもカフェインと同じように、大量に、あるいは濃縮されたものを摂取し続けることで妊婦や赤ちゃんへ思わぬ影響(子宮筋への刺激作用、流産誘発作用など)を及ぼす可能性は否定できません。ハーブティーを飲む場合は、ハーブの効用に注意し、1日2杯程度を限度にしましょう。
※参考:基礎知識(妊娠中)「【医師監修】妊婦さんは紅茶を飲んでも大丈夫?」【監修者:医師 天神尚子先生 産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長】
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