冬の肌の痒み原因は乾燥だけではなかった!?
冬肌の痒みの主な原因は、乾燥によるものと言われていますが、日頃の習慣やストレスなどが原因となり、肌の痒みを引き起こすことがあります。
【熱めのお湯に長く入浴】
冬は身体を温めようと熱めのお湯に長く(15分以上)浸かることによって角質がふやけて隙間ができ、肌の潤い成分が流れ出てしまい、肌が乾燥して痒みの原因になることがあります。
【肌の洗いすぎ】
身体の汚れを落すために刺激の強いボディーソープなどを使うと肌がアルカリ性へと傾き、皮脂膜や細胞間脂質、保湿成分など、肌の潤いに必要な成分まで洗い流してしまうことも。また、ゴシゴシと洗うことによって、摩擦に弱い肌乾燥の原因につながります。
【冬の化繊の肌着】
冬は防寒のために化繊が発熱する素材の肌着やタイツを着用することがあると思いますが、化繊は肌に密着することで摩擦が起こり、痒みを引き起こすことがあります。
【ストレスによる緊張】
人はストレスやプレッシャーなどを感じた時、無意識に頭を掻くことがあります。掻くことで気持ちがスッキリしたりストレスが軽減されたりするため、掻破行動(掻いたり擦ったり)につながりやすく、肌乾燥を悪化させてしまう可能性も。
【加齢による新陳代謝の低下】
加齢とともに新陳代謝の低下が起こり、皮脂分泌量が減少します。特に女性ホルモンが減る更年期は、肌の潤いも減り乾燥状態になりやすいと言われています。
冬の痒みを和らげる3つの対策
痒みを和らげるためには、日頃の生活習慣を見直すことで改善が期待できます。
【入浴時に気をつける】
お風呂の温度は、38〜40℃ほどのぬるいと感じるくらいがおすすめです。長くお湯に浸かってしまうと肌の潤い成分セラミドが必要以上に流れてしまうので、15分以内を目安にしましょう。入浴後は時間の経過とともに入浴前より乾燥した状態になるため、お風呂から上がったら、絹や木綿(コットン)などの天然素材のタオルで素早く水気を拭き取り、乾いた状態にすることが大切です。
【部屋を加湿する】
暖房で空気はさらに乾燥し、肌の水分が失われていきます。加湿器などを使い、部屋の湿度を上げて乾燥を抑えましょう。加湿器を使わなくても、部屋に洗濯物や濡れたタオルを干すだけでも乾燥対策になるでしょう。
【ビタミン類を摂取して身体の内側から潤う】
肌の潤いを保ち乾燥から守るビタミンA、肌を再生するビタミンB群、コラーゲンの生成を促進するビタミンC、肌の新陳代謝を高めるビタミンEなど、ビタミン類を摂ることにより、肌に栄養を届けて潤いましょう。
◆ビタミンAが多く含まれる食材
ほうれん草、かぼちゃ、人参などの緑黄色野菜など
◆ビタミンB群が多く含まれる食材
納豆、玄米、にんにく、ごま など
◆ビタミンCが多く含まれる食材
ブロッコリー、カリフラワー、じゃがいも、レモン、柿、いちごなど
◆ビタミンEが多く含まれる食材
植物油、アーモンドやクルミなどのナッツ類、カブや大根の葉、アボカドなど
※身体の痒みが悪化したり痛みを伴ったりと治らない場合は、病気の可能性もあります。皮膚科の受診をおすすめいたします。
いかがでしたか?痒みが続くと肌トラブルだけでなく、睡眠不足やストレスにつながるため、冬本番を迎える前に痒みの対策をしましょう!
参考文献:吉田企世子・松田早苗(2016)『からだにおいしい あたらしい栄養学』高橋書店