従業員の配偶者・家族は健康診断を受けられない?

従業員の配偶者・家族は健康診断を受けられない?

健康診断における会社の義務

会社は、従業員に対して健康診断を受けさせる義務があります。これは労働安全衛生法により定められた義務であり、違反すると罰金を課されることもあるため注意が必要です。また、従業員に対しても会社の健康診断を受診する義務が課されており、受診結果については会社への提出が必要です。

会社の健康診断の対象者

会社の健康診断の対象者となるのは「常時使用する労働者」と規定されています。常時使用する労働者とは、「1年以上使用する予定で、かつ週の労働時間が正社員の4分の3以上」である者です。この条件に該当していれば、正社員かどうかに関わらずアルバイトやパートでも対象者となります。条件を満たしていない場合においても、週の労働時間が正社員の2分の1以上となる場合には努力義務とされます。また、従業員の家族や配偶者は、原則として健康診断実施の対象者には含まれません。会社に義務が課せられているのは、あくまでも労働契約を締結している従業員のみです。

「特定健康診査」「主婦健康診断」

ただし、扶養者が社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している場合、一定の条件を満たせば家族も健康診断が受けられます。40歳以上を対象とした「特定健康診査」と「主婦健康診断」と呼ばれる健康保険組合独自の家族健診があります。扶養者が自営業で国民健康保険に加入している場合には、被扶養者は自治体の健康診断が受けられます。そのほか、病院で直接申込をすれば被扶養者も健康診断や人間ドックの受診が可能です。

任意継続被保険者制度

また、会社を退職した場合には、原則として健康保険の被保険者としての資格を失いますが、一定条件を満たしていれば引き続き被保険者となれる仕組みがあります。これは「任意継続被保険者制度」といわれるもので、最長2年間加入の継続が可能です。

「生活習慣病予防健診」「特定健康診査」

任意継続被保険者制度においては、任意継続被保険者(本人)だけでなく、その家族(被扶養者)を対象とした健康診断も実施されています。35歳以上74歳までの被保険者は「生活習慣病予防健診」、40歳以上74歳までの被扶養者は「特定健康診査」が可能です。

定期的に健康診断を受けることで、生活習慣病の予防や病気などの早期発見・早期治療につながります。ご自身とご家族の健康状態を把握するためにも毎年健康診断を受診しましょう。

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