38歳で結婚、40代前半で一男一女を出産。現在は46歳の体にムチ打ちつつ、5歳娘と2歳息子の子育てに奮闘中の漫画家・水玉ペリさんに、「高齢ママ」になるまでの道のりについて話を聞いた。
●40代で子を授かれたことは幸運だった
「私の場合は20~30代なかばまでは男運がなくて(笑)。残念ながら結婚する機会がなかったので、自分が出産や子育てをするイメージを持てませんでした。その後結婚して、40代で子どもを授かれたことは、年齢的にとても運が良かった。若いお母さんを羨ましく感じることもありますが、今の自分に十分幸せを感じています」」(水玉さん 以下同)
「高齢ママ」にはさまざまな背景がある。結婚自体が遅かった人もあれば、不妊治療をするもなかなか妊娠できなかった人、妊娠はしても流産を繰り返してしまうケースも。水玉さんの場合はいずれも自然妊娠だったが、1人目を無事出産するまでに2度の流産を経験している。
「妊娠自体はわりとすぐにできたんです。39歳だから高齢出産になるけど自分はまあ大丈夫じゃないかな? と楽天的に考えていた。でも9週目で稽留(けいりゅう)流産になってしまって…。あのときは一気に崖から突き落とされた感じでした」
初めての妊娠からの悲しい流産。さらにその5カ月後には2度目の妊娠を果たすが、またも流産という結果に…。
「アラフォーだったからか体力の回復にも時間がかかったんです。時間はどんどん過ぎていって、私もどんどん年齢を重ねていく。同じ頃に結婚した周囲の夫婦が次々に親になっていく姿を見るのは、やっぱりつらかったですね」
●41歳目前に待望の第一子を出産
40歳で3度目の妊娠。だが、流産経験が尾を引いて「最後の最後まで気が抜けなかった」という。
「出産の最中ですら『また何か悪いことが起きるんじゃないか?』って不安で。でもね、娘が無事生まれた瞬間に全部吹き飛びました。初めて見た瞬間からもうとにかく『かわいい!』という気持ちでいっぱい(笑)。1人目が生まれた直後にもう『2人目も欲しい!』って思ってましたから」
望みどおり、44歳で第二子の男の子を出産。だがいざ2人の子育てが始まってみると、「想像以上のカオス」が待ち受けていた。
「下の子が動き出すようになったらもう大変。息子は夜泣きもひどい上にやんちゃなタイプなので、体力的にも気力的にも2歳になるまでは本当しんどかったですね。最近ようやくちょっと楽になってきたかな」
●40代からの子育てで感じたメリット
だが、40代になってから「子育て」というステージに突入したことで、もたらされたメリットもある。
「まず生活リズムががらりと変わりました。子どもができたことで規則正しい健康的な生活になりましたね。あとは昔からの友達はみんなもう子どもが大きくなっているので、先輩ママが大勢いるんですよ。子育てでわからないことは彼女たちに教えてもらえるので助かっています」
出産までの道のりは険しい。だがそこから先は苦労ばかりではない。リスクばかりではなく、高齢ママならではの喜びやメリットもあるようだ。
(阿部花恵+ノオト)