電気代節約方法6選! 手軽にできて見落としがちな節約術をご紹介

2022年から値上げが続く電気代。電力会社によっては、平均的な使用量の家庭で月額2000円以上も高くなるという調査もあり、家計へのダメージも少なくありません。そんな昨今だからこそ、今まで以上の節電に励みたい……! そう考える方に向け、電気代の節約テクニックをまとめました。教えてくれたのは、節約アドバイザーの和田由貴さん。電気代節約のための基礎知識のほか、節電に関して抱きがちな疑問にも答えてもらいました。

節電行動を起こす前に知っておきたい! 電気代節約のための基礎知識

電気代を節約したいと思うなら、まずは現状を把握することから始めましょう。ここでは、電気代が高くなる理由や、電力消費量が多い家電について解説します。

わが家はなぜ、こんなに高い? 電気代がかかる理由

①ライフスタイルの変化
「家庭で使用するエネルギーのうち、電気が占める割合は年々高くなっています。これは、家電が多様化しており、使う数も増えていることが大きな要因。電気に頼る生活が定着した今、電気代も高くなるのも必然的と言えるでしょう」

②電気代のかかる家電を多用している
「節電への意識が高まっている一方で、省エネ性能の劣る古い家電を使っている家庭はまだまだあるように感じます。ただし、新しい家電ならすべて省エネになるとは限りません。たとえば洗濯乾燥機の場合、乾燥機能はヒートポンプ式とヒーター式がありますが、電気代が抑えられるのは前者。また、温水洗浄便座なら温水をためておく貯湯式の方が、洗浄時にお湯を沸かす瞬間式に比べて電気代は高くなります。買い替えるときは、こうした特性も踏まえて選びたいですね。

さらに、電気ポットや炊飯器の保温機能を長時間使っていると、やはり電気代は高くなりがち。意外と見落としがちなのがウォーターサーバーで、常に保冷・保温を行っているため、その分、電気代がかかっています。もちろん、こうした家電が不可欠な家庭もあるので、使うのがダメというわけではありませんが、何にどのくらい電気代がかかっているかを知っておくことは大切。そのうえで、使い方の見直しや代替する方法の模索をするのも良いと思います」

③家電を正しく使えていない

「これは本当によく見られるケースです。たとえば冷蔵庫の場合、放熱スペースを確保していなかったり、背面などにホコリがたまっていたりすると冷却能力が落ち、無駄な電力を消費することに。また、庫内のエリアによって温度が違うため、何を保存しておけば良いかも変わってきます。扉の開け閉めを無駄に行ったり、開けている時間が長かったりするのも良くないですね。

また、エアコンもフィルターのお手入れを怠ると、余計な電気代がかかるもの。パナソニックの実験※1
では、フィルター掃除をすることで年間約1万円以上電気代を節約できることがわかっています。家電の設置場所やお手入れの方法のほか、正しい使い方などは取扱説明書に記載されているので、面倒に思わずきちんと読むようにしたいですね」

 

※1 パナソニック製品「F401D2」を使用。電気代27円/kWhでの実験。

電気代がかかるのはどれ? 家電製品別の電力消費割合

「資源エネルギー庁の発表した『家庭における家電製品の一日での電力消費割合』によると、夏季と冬季で上位を占めるのがエアコン、冷蔵庫、照明の3つ。これらを節電を意識しながら使うことで、電気代が抑えられる可能性は高いと言えます。

出典:省エネポータルサイト「平成30年度電力需給対策広報調査事業の結果」

このように、どの家電にどれくらいの電力量が必要なのかを知ることで、使い方も変わります。たとえば、温かいご飯なら、炊飯器で長時間保温するより、冷凍したものを電子レンジで解凍して温める方が電気代は安くなるんです。節電を心がけるなら、それぞれの家電の消費電力量と使用時間をトータルで意識しながら使い分けると良いでしょう」

待機電力で電気代がかかるのは誤解って、ご存知でした?

「少し前までは、“待機電力がかかるから、使わない家電のコンセントは抜きましょう”とよく言われていましたが、今の家電で待機電力がかかるものはほとんどありません。資源エネルギー庁の『省エネ性能カタログ』でも、以前は“テレビのコンセントは抜きましょう”と呼びかけられていましたが、2022年版では“リモコンで電源OFFにしましょう”と記載されています。よほど古い家電、たとえばブラウン管のテレビくらいなら待機電力がかかりますが、そこまで古いなら節電よりも安全面が心配。経年劣化で発煙や発火につながるケースも報告されているので、買い替えを検討していただきたいですね」

今日から始めたくなる、6つの電気代節約術

さあ、ここからは実践編。電気代を節約する具体的な方法を、和田さんに教えてもらいましょう!

電気料金の支払い方法を見直す

「すでに実践している方もいると思いますが、支払い方次第で電気料金がおトクになることもあります。そのひとつが、電気料金を口座引き落としにすること。電力会社によっては口座振替割引を実施しており、月額55円(税込)が割引されます。ただし、東京電力では2024年10月に廃止予定となるなど、今後はサービス自体がなくなる電力会社もありそう。そのため、クレジットカードや電子マネーで支払うのもひとつの方法です。運営会社にってはポイントが還元されるので、検討してみては?」

古い家電を買い替え、省エネ家電を購入する

「先ほどもお話しましたが、待機電力がかかるほど古い家電なら買い替えをおすすめします。そこまで古くなくても、家電は年々進化しており、省エネ性能も高くなっているもの。特に、エアコンや冷蔵庫といった電力消費割合が大きな家電は、省エネ性が高いほど電気代節約の効果が期待できますね。

なお、自治体によっては、省エネ家電の買い替えに補助金が給付される制度が用意されています。たとえば東京都では2023年7月現在、省エネ性能の高いエアコン、冷蔵庫、給湯器、LED照明器具にポイントを付与する『東京ゼロエミポイント』を実施中。こうした制度を上手に利用すれば、おトクに買い替えできますよ。補助金制度はその他の自治体でもよく行われているので、お住まいの自治体ホームページなどで確認してみましょう」

もちろん、パナソニックも省エネ家電を数多くラインナップしています。たとえば、エアコンなら『エオリア LXシリーズ』。コンプレッサーの排熱を冷暖房に活用する“エネチャージ”や、冷暖房運転時に室温を維持しながら効率良く換気を行う“換気(給気/排気)”などの機能を搭載しており、2年連続で『省エネ大賞』も受賞しています。

そして省エネ性能の優れた冷蔵庫が、『WPXタイプ』です。“AIエコナビ”を搭載しており、3週間分のドア開閉と収納量の変化を記憶。曜日ごと、1時間ごとに分析・予測し、当日の使用状況に合わせた運転を行うため、自動で細やかな節電を実現しています。

このほか、乾燥機能にヒートポンプ式を採用した『ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129BL/R』などもおすすめ。節電を考えている方は、これらの家電も導入をご検討ください。

家電のお手入れをこまめに行う

「エアコンや空気清浄機、換気扇などのフィルターは目詰まりすると無駄な電力がかかるため、定期的にお掃除しましょう。エアコンの場合、フィルターに自動お掃除機能が付いているから大丈夫と思う方もいるかもしれませんが、キッチンの近くに設置されていたり、タバコを吸う人がいたりするエアコンだと油やヤニも付着してしまい、自動お掃除機能だけでは落としきれないことがあります。

また、照明器具のカサが汚れていると暗く感じるため、明るさが調整できる器具だと必要以上に明るくしてしまいがち。テレビの画面も汚れていれば暗く見え、輝度を上げたくなってしまいます。どちらもエアコンなどに比べれば節約できる電気代は微々たるものですが、しておくに越したことはないですね。それぞれの家電の取扱説明書でお手入れの方法を確認のうえ、ぜひ実践してください」

照明をLEDに交換する

「環境省の『令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査資料編(確報値)』によると、一部でもLED照明を使用している家庭は全体の約7割。とはいえ、すべてLED照明にしている家庭は2割未満とのことなので、節電の余地はまだまだありそうです。特に白熱電球を使っているなら、真っ先に交換したいところ。パナソニックのシミュレーションでは、年間の電気代が2,880円もおトクになる※2
という結果が出ています。

また、パナソニックのLEDシーリングライトの中でもトップクラスの省エネ性を誇る『ライフコンディショニングシリーズ<丸型タイプ>』は、12畳用の蛍光灯のシーリングライトで比較すると電気代は約1/2以下になるというシミュレーション結果※3
も。

蛍光灯は1回、点けたり消したりするだけで1時間も寿命が減ると言われていますが、LEDはそれもないので、トイレや玄関など、短時間で点灯・消灯する場所にぴったり。人感センサー付きのLEDにすればその場に行くだけで点いて便利ですし、消し忘れもなくなるのでおすすめです」

 

※2 当社LED電球LDA7L-D-G/S/Z6(定格消費電力7.4W)とJIS規格一般照明用白熱電球60形(定格消費電力54W)との比較。電気料金は●1日5.5時間、年間2000時間使用●新電力料金(目安単価)31円/kWh(税込)[2022年7月改訂]で計算。当社調べ。使用条件により変わることがあります。
※3 2021年発売スタンダードシリーズ(大光量タイプ、高効率タイプ)でシミュレーションをしています。当社2005年発売のツインパルック蛍光灯器具との比較(12畳:100形ツインパルック蛍光灯器具)。ツインパルック蛍光灯器具は生産完了。電気料金は●1日5.5時間、年間2000時間使用●新電力料金(目安単価)31円/kWh(税込)[2022年7月改訂]で計算。当社調べ。使用条件により変わることがあります。

日々の電気使用量をチェックする

「何に電気を使っているのか、見える化することで節電意識が高まります。例えばパナソニックの『エオリア』なら、“エオリア アプリ”で電気代の目安がわかったり、運転ごとの電気代を確認できる機能が。使いすぎを防ぎ、無理のない節電につながります。また、電力会社によってはホームページで電力使用量を30分単位で確認できるサービスも用意しているので、利用してみてはいかがでしょうか」

エオリア アプリ。毎月の電気の使用量を表示することで、電気代の目安がわかる 

エアコンを利用した、すぐできる節電術を実践する

「夏と冬に電気代がかかるエアコンは、節電を意識して使うのが正解。夏は特に“電気代が高くなるから”と思い込んで使わないようにする方もいますが、無理をして熱中症になったら電気代どころではありません。無理のない範囲で節電しながら使うようにしてください」

エアコンの節電術ですぐにできることと言えば、ひとつは設定温度。室温は28度がひとつの目安ですが、冷房を一度上げ、風量を上げることで体感温度を変えずに年間約1400円以上※4
節約することができます。このほか、風量は自動に設定したほうが設定温度に到達するまでの消費電力を抑えられたり、またサーキュレータを併用することで室内の冷気ムラをなくし、冷房効率が上がり節電につながるといった方法も。そのほか、着衣を軽装にしたり、扇風機の風に当たったりするのも効果的です。エアコンの節電術は、こちらの記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

※4 パナソニック製「CS-F403D2」を使用した場合。電気代31円/kWhでの実験。

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