「子どもを“甘えさせること”は、子どもが親の愛情を求める行為です。甘えを受け止めてもらうことで、“自分は大切にされている”という安心感と自信を持ち、自立へと向かっていけるのです。一方、“甘やかすこと”は、子どもの物質的な欲求や、不必要な手助けを無制限に与えることです。これでは、自立はおろか、我慢することも身に付きません」
●子を“甘えさせること”と、“甘やかす”ことの違い認識度チェック!!
そう話すのは、『一人でできる子が育つ テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者・立石美津子さん。では、このふたつはどう違うのか? 日々の子育ての中でよくある数々のシチュエーションをピックアップし、それぞれ“甘えさせること”と“甘やかすこと”のどちらに当てはまるか? 認識度をチェックしてみよう!
1)ゲームやと競争で一番になれず怒っている子どもに、わざと負けて勝たせてやる
2)上手に食べられないので、ママが食べさせてやる
3)子どもが自分で片づけられるのに親がやってしまう
4)転んだとき、“痛い、痛い”とママのところへ訴えにきたときに優しく“痛かったね”と慰めてやる
5)菓子や玩具を子どもが望めばいくらでも買ってやる
6)眠いときや疲れたとき、“ママ、抱っこ~”と、せがんできたとき、抱っこしてあげる
7)ジッパーや靴ひもなど、自分でできないことを“ママやって”と頼まれ、結んであげる
8)もう少ししたら食事なのに“お腹が空いた~”とわめくので、お菓子を与える
「わかりましたか? 正解は、“甘えさせること”が、2.4.6.7。“甘やかすこと”が、1.3.5.8です。“甘えさせること”は、人が対象になり、何か物を与えることではありません。情緒的な欲求を満たしてやったり、越えられないハードルをサポートしてやることです」(立石さん 以下同)
●子の甘えを受け入れてやれない状況のときは、まず子どもの気持ちに共感してやり、状況を説明して納得させる
では、例えば子どもが愛情を求めてきたとき、状況的に甘えさせてやれないときはどうしたらいいのだろうか?
「買い物帰りに子どもが“抱っこ~”とせがんできたとき、両手に荷物をいっぱい抱えていて抱っこできないときなど、状況的に応えてやれないことってありますよね? そういうときは、決して“甘えるんじゃないの!”と突き放したり、叱ったりしてはいけません。“抱っこしてほしいのね。でも、今ママはたくさん荷物を持ってるよね? だから今は抱っこできないけど、あとで抱っこしてあげるからね!”と、まず子どもが愛情を求める気持ちに共感してやり、しっかり状況を説明し納得させましょう」
“甘えさせることと”と、“甘やかすこと”の違いを親が理解していなければ、子どもが必要としているものを与えなかったり、逆に子どもに不必要なものを与えてしまうことになりかねませんので、しっかり理解しておきましょう!
(構成・文/横田裕美子)