夫婦問題カウンセラーの立木ミサさんによると、そのお手軽さや気軽さとは裏腹に、出会い系サイトから思わぬトラブルに発展するリスクは高いという。
●性病で配偶者にとばっちりも…
「まず挙げられるのは性病のリスクです。肉体関係目的で知り合う男女が多いため、出会い系サイトで知り合った女性から夫へ、さらに夫から妻へ性病が感染したことで、夫の浮気が明るみに出るケースもよく耳にします」(立木さん 以下同)
特に日本ではまだ性病予防に対する意識が低いため、正しい知識を持っている人が少ないが、行為の途中からのコンドーム着用では性病を完全に防ぐことはできない。浮気された上に病気もうつされたとなると配偶者もたまったものではないだろう。
●悪質な詐欺の被害に遭う可能性
自身が出す情報が少なくてすむということは、すなわち相手の素性もよくわからない状況であるということ。
出会い系サイトのなかには悪質なサイトも存在する。実際の利用者ではない「サクラ」が存在し、やりとりをするための課金が重なって、気づけば莫大な金額になることも。
さらに、男女が共謀し、出会い系サイト利用者と共謀者に肉体関係をもたせた後に、女性の夫(あるいは男性の妻)と名乗る人物が現れて恐喝・脅迫を行い、金品を奪う「美人局(つつもたせ)」も存在する。被害に遭っても、出会い系サイトの利用が配偶者にバレてしまうことを恐れ、泣き寝入りするケースも少なくない。
●不貞行為の代償は大きい
本人は「ちょっとした遊び」のつもりでも、既婚者が配偶者以外と肉体関係を持てば不貞行為だ。
出会い系サイトに限ったことではないが、特に既婚者同士であるならば、相手の配偶者にバレて多額の慰謝料が発生したり、自分や相手の家庭が崩壊したり、社会的制裁を受けるリスクが生じる。
「次第に自分や相手が本気になってしまって泥沼化することも。また、妻ではなく娘さんから『お父さんが出会い系サイトに夢中になっている』という相談をいただいたこともありました。バレていないと思っていても、どこから知れるかわからないのです」
そのほか、軽い気持ちで撮ったり送ったりした写真をネタに脅されたり、ネットでばらまかれたりする可能性もある。
出会い系サイトの手軽さの裏には、たくさんのリスクが潜んでいる。夫に対して「怪しいな」と思った場合も、妻がその危険性について、それとなくクギを刺しておくことが抑止力につながるかもしれない。
(北東由宇+ノオト)