●子育てのダブルバインドで、子に様々な悪影響が!
「ダブルバインドによるしつけを続けると、子どもは恐怖心と親への不信感を溜め込んでいき、アメリカの文化人類学者グレゴリー・ベイトソンによると、稀に“統合失調症”を発症するケースもあると言われています。そのほかにも、ダブルバインドで育つと、子どもが自然にそういうやり方を学習してしまい、やがてはお友達や周りの人に同じことをするようになったり、思春期になって親をダブルバインドでコントロールするという反撃に出ることもあるので、気をつけなければなりません」
そう話すのは『一人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』(日本実業出版社)の著者である立石美津子さん。そこで、“ダブルバインド危険度チェック! ということで、親が子育てのなかでやってしまいがちな“ダブルバインド”のケースをリストアップ。当てはまるものが多いほど、危険度が高いので要注意だ!
●“ダブルバインド”危険度チェック
□公園で遊んでいてなかなか帰らない子どもに、「いい加減にしなさい! もう知らない! 勝手にしなさい。バイバイ!」と、言いながら、先に帰らない。
□おもちゃを片付けない子どもに、「片づけないなら、おもちゃ全部捨てちゃうからね!」、「二度と買ってあげないからね!」と言いながら、捨てないし、また買い与える。
□お友達とケンカばかりするわが子に、「仲良くできないなら、二度と○○ちゃんと遊ばせないからね!」と、言いながら、また遊ばせる。
□食卓に着かないでずっと遊んでいる子どもに「食べないんだったら食事下げちゃうよ!」と、言いながら、下げないで、子どもが食べ始めたら、今度は「残さず食べなさい!」とさっきと180度違うことを言う。
□お友達の家で遊んでいて、なかなか帰らない子どもに、「そんなに帰らないなら、○○ちゃんの家の子になってもらおうかな」と言う。もちろんそんなことするハズはないのだが…。
以下のようなタイプの“ダブルバインド”もある。
□「好きな服を選びなさい!」と、言いながら、子どもが選んだ服が気に入らないと、「こっちにしなさい」と命令する。
□普段から、「誰とでも仲良くしなさい!」と言いながら、“あの子は気に入らないから”と親の都合で「遊んじゃダメ!」と言う。
●脅しでその場はコントロールできても、あとで取り返しのつかないことに発展する可能性も!
「いくつ当てはまりましたか? 親御さんはそんなつもりはなくても、このように無意識にわが子を親の命令の矛盾で心理的に追い込んでいることが多々あります。しつけは脅しではありません。シンプルに“○○しようね!”でいいのです。脅しでその場はコントロールできても、子どもは心理的に追い込まれていき、取り返しのつかないケースに発展することもあるので、くれぐれも気をつけましょう!」(立石さん)
ぜひ、日頃のしつけ方を今一度見直して、思い当たることがあれば、改善していきましょう!
(構成・文/横田裕美子)