
免許更新時70歳以上を対象に「高齢者講習」を実施
上述の事故内容やデータを見ると、高齢者の運転はやはり不安…。しかし、公共交通機関が発達していない地域に住んでいる高齢者は、生活のために自動車が必要となってくるケースも少なくありません。
そうした高齢者のために、運転免許更新時に70歳以上の高齢者は「高齢者講習」が、75歳以上の高齢者は、高齢者講習の前に「講習予備検査(認知検査)」が義務づけられています。
認知検査で問題があるとされた高齢者が、特定の交通違反を行った場合は、警察から専門医の診断を受けるか、主治医の診断書を提出するように求められます。そこで認知症が発覚すると、免許が取り消されるようです。
両親の運転が不安…「運転免許自主返納」の検討タイミングかも
自分の両親に認知症の疑いがあったり、自分の運転に自信をなくしていたり…。もしくは同乗している時に危ない運転をしていたら、「運転免許は自主的に返せるよ」と伝えてみる時期なのかもしれません。
運転免許を返納すると、「運転経歴証明書」という証明書を申請できます。運転はできなくなってしまうものの、運転経歴証明書は身分証明書として使えるので、今まで運転免許書で身分証明していた人も安心。
さらに、運転経歴証明書を提示することで、特典を得られるサービスがあります。例えば、高齢者にとって嬉しい温泉施設の割引や福祉タクシー券が配布される自治体もあるようです。ただし、自治体によってサービス内容は異なるようなのでご注意を。
65歳を過ぎても、運転に自信を持っている高齢者も少なくないというインターネット上の意見もありますが、どうしても年齢とともに反射神経や判断力は落ちてくるもの。住んでいる地域によっては、自宅に食材や食事を届けてくれる「宅食」や自宅の玄関先まで商品を運んでくれる「ネットスーパー」など、便利なサービスがあります。両親の運転に不安を感じたら、免許を返納することも視野に入れ、一度ゆっくり話し合ってみてはいかがでしょうか。
(文・山本健太郎/考務店)
もしも事故やトラブルが起きた時のために…
