花で彩る、あなた好みのクリスマス。ときめきで心はずませて|くらしの花図鑑

 

そもそもクリスマスとは?

「イエス・キリストの誕生日」は間違い?

ハロウィンが過ぎると、街はクリスマスに模様替え。気温も下がり、一気に冬の訪れを感じます。大人も子どもも楽しめる世界的なイベントであるクリスマスですが、その由来を聞いたことがある方は意外に少ないのではないでしょうか。クリスマスの語源は「キリストのミサ」(=Christ’s Mass)。「ミサ」とは、「降誕祭」のことを表します。「12/25はキリストの誕生日」と覚えている方もいるかもしれませんが、実はキリストの正式な誕生日は不明で、クリスマスは単に「キリストが生まれてきたことをお祝いする日」なんです。

「実は「冬至」が深く関係している

クリスマスの始まりはローマ帝国時代にさかのぼると言われており、キリスト教とミトラス教という2つの宗教と、「冬至」が深く関係しています。冬至とは、一年で最も昼の長さが短い日。現在の冬至の日付は天文学的に決められるので、その年によって変わりますが、クリスマスが発祥した当時は毎年12月25日と決まっていました。太陽信仰のミトラス教では、冬至=この日を境に昼が長くなり、太陽の力が強くなっていく日として「光の祭り」が執り行われていました。また、ローマ帝国では冬至前後に、農耕の儀式を行う習慣がありました。国教がキリスト教であるローマ帝国に、ミトラス教が伝わったことがきっかけに、その文化が融合したことがクリスマスの始まりと言われているんですよ。

「クリスマスカラーには意味がある

クリスマスと聞いて、皆さんはどんな色をイメージしますか ?

実は、今皆さんが思い描いたその色には、クリスマスならではの意味があるんです。

<赤>

キリストの血を象徴する色。神の子のキリストの体内に流れる血は、愛と生命の象徴とされています。

<白>

罪や穢れのない、純白で清らかなキリストを象徴する色。また、クリスマス発祥の地であるヨーロッパではこの時期、街が雪景色になることもイメージに関わっています。

<グリーン>

クリスマスのグリーンといえば、ツリーに使われているモミの木などの針葉樹(別名:コニファー・常緑樹)。寒い冬に枯れることなくグリーンの葉を保ち続ける針葉樹は、永遠・力強さの象徴とされています。

<ゴールド>

ベツレヘムの星の色と言われています。

ベツレヘムの星とは、キリストが生まれた時に空に現れ、賢者たちにキリストの誕生を知らせた星と言われています。

実は、クリスマスツリーの一番上に飾る星もこのベツレヘムの星なんですよ。

色別・クリスマスにおすすめのお花

クリスマスには、クリスマスカラーにちなんだお花がおすすめ。

色別でクリスマスにおすすめのお花を紹介します。

赤色の花

◆バラ

 

クリスマスといえば、やっぱりバラ。バラ特有の高貴で特別感のある雰囲気がクリスマスの気分をグッと引き上げてくれます。

◆アマリリス

 

大輪で非常に美しい、存在感抜群の冬のお花、アマリリス。実はドイツではクリスマスのお花と言われています。赤だけでなく、白・ピンクなどのカラーバリエーションがありますが、中でも赤のアマリリスは圧巻の美しさ。他の花と組み合わせなくても、単体で3〜5本生けるだけでお部屋を一気に華やかに彩ってくれますよ。

◆ポインセチア

 

クリスマスの装飾などで定番のポインセチア。「祝福する」「聖なる夜」「幸運を祈る」など、クリスマスにぴったりの花言葉がつけられています。赤色がポピュラーですが、最近では白色やカラフルな品種も増えています。ポインセチアに限っては、切り花よりも鉢物で出回ることが多いです。ポインセチアを飾りたいという場合は、鉢で購入して、ぜひ長い期間たっぷりとそのかわいらしさを楽しんでください。切花のポインセチアは珍しいので、見つけた方はとってもラッキー!

◆赤い実

 

クリスマスらしさをより引き上げてくれるのが、赤い実。アクセントとして入れることで花生け全体が可愛らしい雰囲気に仕上がります 。この時期の赤い実としては、ヒイラギ、サンキライ、ヒペリカム、ノバラなどがあります。

白色の花

◆バラ

白のバラもやっぱり外せません。

気品のある雰囲気は、ちょっぴり大人なホワイトクリスマスを演出してくれます。

◆トルコキキョウ

白色のトルコキキョウのふんわりとした雰囲気は、繊細で純粋なホワイトクリスマスのイメージにぴったり。ボリューム感もかなり出るのでおすすめです。

◆ダイヤモンドリリー

 

ユリのような形をした、小さくてかわいらしいお花。実はよく見ると、花びらの表面がキラキラと輝いているんです。その上品な輝きは、まるで積もりたての雪景色のような美しさ。

◆クリスマスローズ

 

まさにクリスマスのためにあるような名前のお花。クリスマスの華やかなイメージに反して、白やグリーンの控えめなお花です。うつむくように咲く花姿、その何かを秘めているようなエレガントさがなんとも愛おしい。クリスマスの時期が旬かと思いきや、実は日本での主な流通は、2〜4月の春の時期。ただ、クリスマスの時期に合わせて生産され、店頭に並ぶ場合もあるので、見つけた方はラッキーです。ぜひクリスマス時期のクリスマスローズを楽しんでみてください。

◆コットンフラワー

 

ふわふわの綿が雪を彷彿とさせる冬ならではのお花、コットンフラワー。コットンフラワーを生けるだけでぐっと冬らしさが増します。ふわふわの部分を触ると本当に気持ちいいんです…。

◆フランネルフラワー

 

花びらの質感が唯一無二の優しさのお花。触ってみると、本当にお花かな?と思うような優しいふわふわの手触りです。その温かみと、雪を彷彿とさせる姿がクリスマスにぴったり。

グリーン

◆コニファー(針葉樹)

 

クリスマスのグリーンを象徴するコニファー(針葉樹)。サツマスギ、イトスギ(ブルーアイス)、モミ、ヒバなど、切花でもたくさんの品種が出回っています。赤や白のお花と組み合わせるだけで一気にクリスマスらしい雰囲気にしてくれるので、クリスマスの花生けにコニファーは欠かせません。それぞれの品種ごとに個性があるので、お気に入りのコニファーを選んで、お花と組み合わせてみてくださいね。

◆銀葉(ぎんよう)のグリーン

 

ダスティやユーカリなど、葉っぱに白さがあり銀白色に見えるグリーンがあります。この「銀葉(ぎんよう)」と呼ばれるグリーンも、クリスマスのお花と非常に相性が良いんです。その銀白色が雪を連想させてくれるので、クリスマスらしさを演出してくれます。銀葉はコニファーとの相性もとても良いので、グリーンが好きな方はコニファーと銀葉の両方をお花に合わせてみると、お好みの雰囲気に仕上がるかもしれません。

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