●貯金、旅行も「契約」で!
「家事で時給がもらえるなんてうらやましい…」ドラマを見てそう思ったママも多いのでは? 掃除、洗濯、食事の支度など、面倒な家事を時給換算してくれれば、たしかにやる気も起きそうだ。主人公のみくり(新垣結衣)は、時給2,000円で家事を代行。肉の日、魚の日などのローテーションを決め、クリスマスにはチキンを用意。イベントなどの特別な日には、臨時報酬が与えられる。主婦として休みがないと言われる日常にも“休暇”というものが与えられ、冠婚葬祭で夫婦として出席しなければならない場合は時間外手当という報酬も。この制度が実際に存在すれば、年末年始の実家詣など、夫関連の胃が痛くなるような(?)妻の務めも、難なく果たせそうだ。
一般の夫婦では、ドラマのようにうまくいかないのが実情だが、その他「契約結婚」には、どんないい側面があるのだろうか?
「契約=家事、育児となりがちですが、契約のなかに旅行の予定やお金のことも掲げておくといいですね。例えば、“ディズニーランドに年1回行く”“2020年までに貯金100万円貯める”など、具体的な数字を決めておけば、その数字に向かって契約を遂行しやすくなるし、契約=目標に向けて夫婦の連帯感もより強まるのではないでしょうか」(永田氏 以下同)
●想定外のことが起こる!? 契約結婚
ドラマに見る契約結婚は、主婦にとってはまるで夢の様な契約ばかりだが、もしも夫婦間で「契約」を交わしたら…妻側にデメリットはあるのだろうか。
「いくら夫婦間の契約で、東京に住むと決めていたとしても、転勤、リストラ、病気など想定外のことが起こるので、その都度見直すことが必要です。また、新婚のラブラブな時期に『もしも浮気したら10万円の罰金』などと冗談半分で決めてしまい、何年後かに実際浮気した側が『10万円払えばいいんだろう』と開き直る可能性も出てきますよね(笑)。もしも浮気で離婚となった場合、本来であれば多額の慰謝料がとれるはずなのに、思いつきで決めた契約のために、10万円で泣き寝入り…ということにもなりかねません」
やはり契約時は、一時の感情やノリに流されず、将来を見据えた注意が必要なようだ。
ここでいう「契約結婚」とは、あくまで夫婦間の書面上のお約束を指す。夫は雇用主、妻は従業員という関係で、夫婦としての実態がないのに法的な結婚の届けを出すのは、偽装結婚同様、虚偽の申告になる可能性もあるのでご注意を!
(取材・文/谷亜ヒロコ)