髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」の注意点と参加方法は?

第3回 髪の毛でできる奉仕活動「ヘアドネーション」って何?
髪の毛を寄付して、病気で髪を失ってしまった子どもたちの医療用ウィッグにしてもらう活動「ヘアドネーション」。

実際にヘアドネーションを行うためにはどんな条件・手順があるの? 

「いちばん守っていただきたいのは、『絶対に髪を濡らさない』ということ。一部だけでも濡らしてしまうと、そこからカビが生えてしまうからです」

こう説明するのは、特定非営利活動法人「JHDAC」代表の渡辺貴一さん。ウィッグに使用できる髪の条件は、以下の通りだ。

1. 31cm以上の長さがあること(31cm以下の髪は転売などで間接的に役立てる)
2. 完全に乾かしてあること(濡れていると、カビや雑菌の繁殖の原因になるため)
3. 同じ人の髪だけでひとつにまとめ、切り口を輪ゴムでしっかり束ねてあること
4. 引っ張っても切れない髪の毛

ちなみに、白髪やクセ毛であったり、パーマやカラーを施したりした髪でも髪質を均一にするトリートメントを行うため、問題ないそう。

髪を切っている様子

●ヘアドネーションに参加するには?

「ヘアドネーション」のおもな流れは次の通りだ。

1. カットする前に「寄付したい長さ」「カット後の髪型」「郵送方法(お店から送るか自宅から送るか)を決めておく
2. カットする場所は「自宅」か「行きつけの美容室」か「賛同サロン」のいずれでもOK。ただし、行きつけの美容室でお願いする場合には、協力してもらえるかどうか、直接問い合わせを(JHDACのウェブサイトからPDFデータをプリントアウトし、美容室に持参する)。
3. ヘアドナーシートの記入をする。(JHDACのウェブサイトからPDFデータをプリントアウトする。あるいは、手書きでもOK)
4. お礼状を希望する場合には、82円切手を貼った返信用封筒を準備する。

また、自宅で髪を切る場合の方法は以下を参考にしよう。

1. ひとり分の毛束がバラバラにならないよう、輪ゴムでしっかり縛り、一本の毛束にまとめる。
2. まとめた毛束とヘアドナーシートを同じビニール袋に入れる。
3. そのビニール袋を封筒(段ボールやレターパックなども可)に入れる。
4. 送り主の名前と住所を明記し、切手を貼って下記の住所に送る。普通郵便、宅配便いずれも可。
〒531-0072 大阪府大阪市北区豊崎3-8-18
NPO法人Japan Hair Donation & Charity
※詳細はJHDACの公式ウェブサイトで確認を。

老若男女誰にでもできる髪のボランティア。発表会や大きなイベントを終えた節目など、伸ばしていた髪をバッサリ切る機会がある人は、ただ捨てられてしまう髪を利用して「ヘアドナー」になってみては?
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

渡辺貴一
JHDAC 代表
100%寄付された髪の毛で作った「フルオーダーメイドの医療用ウィッグ」を、頭髪の悩みを持つ18歳以下の子供たちに無償でプレゼントしている日本で唯一の特定非営利活動法人。
100%寄付された髪の毛で作った「フルオーダーメイドの医療用ウィッグ」を、頭髪の悩みを持つ18歳以下の子供たちに無償でプレゼントしている日本で唯一の特定非営利活動法人。