そのために子どもが小さいうちから親が心がけたいことについて、子育てカウンセラーの和久田ミカさんに伺った。
●コントロールが難しい人の感情。否定せずにまずは受け入れて
和久田さんがそのために重要だと考えるのは、まず子どもの話に耳を傾け、否定しないで認めてあげる“コーチング”というコミュニケーション方法だという。
「まずは話を聞いてあげて、相手を認めてあげる。そして相手の感情を否定しないでください。例えば、人は『右手をあげてください』といえば挙げられますよね。でも感情だと『怒ってください』と言われても、なかなかコントロールできません。ですから、子どもの『悲しい』『くやしい』というネガティブな気持ちを共感してあげてください」(和久田さん 以下同)
とはいえ親としては子どもが怒ったり悲しんだりしていると、つい「怒らないで」「泣かないで」と否定してしまうもの。特に男の子だと「男の子は泣かないの」「男の子なんだから我慢しなさい」とつい言ってしまうママも多いのではないか?
「つい言ってしまいますよね。正直、ネガティブな感情を否定しないということは、ママの気持ちに余裕がないと難しいかもしれません。でもそれでもいいんです。できるときに心がけてください」
●子どもの先回りばかりすると、自分の話をしなくなる危険性が
子どもが小さいうちは言葉が未熟なので、ママが話を聞くのも限界があるだろう。そんな時はどうすればいいのか?
「まだうまく話せない2~3歳の子の場合に心がけてほしいのは“オウム返し”。例えば「ママ、お花」と言われたら「お花だね」と繰り返して、次に子どもが言葉を話すまでしばらく待つ。よく子どもの言うことを先回りして進めてしまうママがいますが、やりすぎると子どもは自分の話ができなくなってしまいます」
ただほとんど言葉が話せないくらい小さいうちは、時にママが「代弁する」ことも必要だという。
「この時期は自分が遊んでいるおもちゃをほかの子が欲しがって、取り合いになることがよくありますよね。そういう場合はすぐに『貸してあげなきゃダメだよ』と否定せず、『これで遊びたいんだね』と、まずは代弁してあげてください」
しかし多くのママは自分の子がなかなか友達におもちゃを貸してあげないと、つい注意したくなってしまうだろう。それはいけないことなのだろうか?
「人の気持ちを学ぶという意味では悪いことではないです。ただそれをやりすぎると“自分よりもほかの人を優先することがよいこと”と学んでしまう」
和久田さんはこういったコミュニケーションを地道に小さい頃から続けていくと、子どもは大人になっても親が自分の意見に耳を傾けてくれることを学んでいく、と語る。
大きくなっても子どもといい関係を築くために、男の子のママだけではなく女の子ママも、今から心がけてみてはどうだろうか?
(高山惠+ノオト)