わが子の習い事選び。親次第で可能性を奪うことも!

第3回 ママのメンツを気にし過ぎて子どもをつぶすあれこれ
わが子の習い事。何を習わせたらいいかと、つい迷ってしまいますね。そんなとき、どんな基準で選びますか? 実は、その選び方を間違えると、せっかくの習い事が子どもの可能性を奪いかねないこともあるそうです。そこで、『一人でできる子が育つ テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者・立石美津子さんにその理由と才能が伸びる習い事の選び方について伺いました。

●多くの親は、わが子の“できないこと”に目がいきがち

「親御さんは、ついこんな理由で習い事をさせようとしていませんか? 例えば、“運動が苦手だからサッカー教室に通わせよう!”“勉強が苦手だけど、塾に行ったらできるようになるだろう”“落ち着きがないから、お習字を習わせて落ち着かせよう”など。これらは、正直おススメしない理由ばかりです。なぜなら、これは“克服してほしい”という親の一方的な都合であって、子どもはきっとつらい思いをするからです」(立石さん 以下同)

多くの親御さんは、どうしてもわが子が“できないこと”に目がいきがちだという。

「もちろん、できないことを“やらなくていい”というのは過保護ですね。でも、子どもがすでにできることや得意なこと、好きなことには目を向けず、できていないことばかりに目を向け無理に苦手の克服ばかりさせていると、子どもは成功体験をなかなか味わえません。そうすると、できないことによるストレスがかかり、自信がどんどん失われていってしまうのです」

わが子のの習い事選び。親次第で可能性を奪うことも。

●“強み”をみつけて重点的に強化したほうが子どもは伸びる!

しかしながら、やはり得意なことばかりやらせて、苦手なことはやらせないのは、親として甘やかしているような気持ちになってしまうもの。では、どうしたらいいのだろうか?

「その疑問に答えるキーワードが“ハンカチの作用”です。床に落ちてしまったハンカチを拾い上げようとするとき、ハンカチの真ん中をつまんで上に持ち上げると、四隅も自然に上がっていきます。しかし、四隅すべてをつまもうとすると、うまくつまめずに、結果的に“ハンカチを持ち上げる”という当初の目的にすら至りません」

“ハンカチの作用”は、心理学などで用いる“汎化作用”をハンカチで例えた造語だそう。

「つまり、子どもの教育でも全部を平均的にそれなりに伸ばそうと必死に手を下すよりも、強みを見つけて重点的に強化したほうが子どもは伸びていくのです。大人になっても自分に自信がある人や果敢にチャレンジできる人は、不得意なものがあっても、他に強みを持っている人だったりします。何を習わせようかと悩んだら、ぜひお子さんに“習ってみたいことはある?”と、聞いてみてください。きっと興味のあることや好きなことを喜んでリクエストしてくれるはずですよ!」

習い事をするのはあくまでもお子さん自身。昔から“好きこそものの上手なれ”という言葉もあるように、お子さんが好きで心から楽しめる習い事をさせてやることで、可能性はどんどん広がっていくようです。
(構成・文/横田裕美子)

お話を伺った人

立石 美津子
立石 美津子
子育て本作家・講演家。著書は『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『1人でできる子になるテキトー母さん流子育てのコツ』『立石流 子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方 』など。
子育て本作家・講演家。著書は『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『1人でできる子になるテキトー母さん流子育てのコツ』『立石流 子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方 』など。