【twililight】本屋&ギャラリー&カフェ三軒茶屋のビルの片隅で、夢見るすきまを。ある日、あの店のプレイリスト#4

プレイリストのこだわり。
「夢とうつつの間にいるような音楽を」


twililight(トワイライライト)

住所:〒154-0004 東京都世田谷区太子堂 4-28-10 鈴木ビル3F・屋上
営業時間:12:00–21:00
定休日:火曜、第1&第3水曜日

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ビルの3階が入り口

三軒茶屋のビルの3階にある、twililightは、本屋&ギャラリー&カフェというジャンルに縛られないマルチな空間。屋上まであるという店内は開放的で、束の間の逃避行を許してくれるような場所です。

そんなtwililightの店主である熊谷さんに、お店と音楽の関係、とっておきのプレイリストを教えてもらいました。

「今、本ってネットで当たり前に買えるじゃないですか。それでも、数ある本屋の中からこのお店を選んで実際に来てくれるってことは、それはやっぱり1つの体験であるということ。その体験っていうのは、店に足を踏み入れた瞬間から始まっている。だから、来た瞬間にどんな音楽がかかっているかってすごく重要だと思っています。店に入った時どんな光が差し込んでくるかとか、そういう小さなことも大切な印象になる。もちろんお客さんは、本屋、ギャラリー、カフェを楽しみに来てくれてると思うけれど、同時に雰囲気も味わいにきてくれていると思って音楽を選んでいます。マルチな空間なので、ゆったりと落ち着ける場でもあって欲しいし、色々チャレンジもできる場というか、遊び場のようなエネルギーのある場所でもあって欲しい。

音楽は、基本的にその日の気分次第で好きな曲をかけていて。twililightは新しく生まれた本たちが並ぶ新刊書店なので、音楽も同時代の今生まれてる音楽をかけるようにしています。 静かすぎる曲だと、本を選ぶとか、ギャラリーを見るとかするのに、緊張して思考が働かないんじゃないかなと思って。歌があるものの方が、かえって自分の考え事に没頭できたり、停滞していた心が働き出すきっかけになったりするかもしれない。だから、同時代でも少しだけ引っかかりのあるような音楽を選んでかけています。例えば、角銅真実さんというアーティストの音楽は、音でいたずらをするみたいな感じで。肌触りがあってすごく場に馴染みもするんだけど、たまに知らない音も聞こえてきたりしてふと我に帰る瞬間もある。それが良いなと思って。


店内の奥がカフェスペースに


同じ鈴木ビル2階にあるカフェ・nicolasの自家製ガトーショコラ

これは音楽に限らない話なのですが、そういう”夢とうつつを行き来する”みたいなことが大切だと思っていて、それを感じさせてくれるものに惹かれます。それこそ、本を読んだり、音楽を聞いたりして、その世界に没頭するのはすごく大事なこと。今の社会だと、やっぱり夢を見る隙もない感じがするから、ここにいる間だけでも本を読んだりして夢見てもらえたらいいなと思って。 でも、没頭し過ぎて夢見ているだけだと、また現実に戻る時を考えて嫌だなあと思ってしまうことってあるじゃないですか。それでも、夢見る時間を持ったことによって、戻る現実がちょっと違うように見えたりする。その見え方が変わるってことだけでも、十分価値があることなのかなと思います。その戻った現実の中で「twililightに行けば、また夢見られる時間がある」と思えるのも、また良いのかなと。目の前に見える世界だけが世界じゃなくて、もう1つ別のレイヤーがあるんだと日常で思えることが、大切なことなんだと思います」


4階アトリエには古本も並んでいる


4階アトリエの先には屋上が。ここで本を読んだり、コーヒーを飲んで過ごすこともできるんだそう。季節や時間によって移り変わる空の様子を眺めるのも良い


ギャラリーでは、前田エマ・尾形愛・ホンマタカシによる各自の架空特別市Sが展示中。会期は、2023年12月27日(水)〜2024年1月22日(月)。


illustration_Yoshiya Gen text,edit_Nakazato Wakaba

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