【兵庫県西宮市】不朽の古典バレエ「白鳥の湖」の現代版上演。森優貴氏による構成・ストーリーに注目!

写真:岡タカシ氏

貞松・浜田バレエ団は、3月16日(土)・17日(日)に、兵庫県立芸術文化センターで、新制作 白鳥の湖『The Lake』を上演する。

演出・振付は芸術家・森優貴氏が担当

写真:田中みずき氏

白鳥の湖『The Lake』の演出・振付を務めるのは、日本のダンスシーンをリードする芸術家・森優貴氏だ。

森氏は、98年にドイツ・ハンブルクバレエ学校卒業後、シュテファン・トス氏率いるトス・タンツカンパニーに入団し、11年間に渡り数多くの作品で主役を務め、振付家としても作品を多数発表した。

2012年には、日本人で初めてドイツのレーゲンスブルク歌劇場ダンスカンパニー芸術監督に就任。多数の演出振付作品を手がけ、2016年ドイツ舞台芸術界の栄誉あるファウスト賞振付家部門にて最優秀作品にノミネートされた。

2019年に日本へ拠点を移してからも次々と新作を発表。K-BALLET TOKYOが企画、活動を展開するK-BALLET OptoのArtistic Supervisorに2023年9月より就任した。

白鳥の湖『The Lake』の見どころ

今回の白鳥の湖『The Lake』は、不朽の古典バレエ「白鳥の湖」よりエッセンスを抽出し、森氏によって現代翻案。見どころは、誰もが想像する古典バレエ「白鳥の湖」とは一線を画した構成・ストーリーだ。

古典バレエは童話などをミックスした台本で、初演は1895年。貴族の王子と悪魔によって白鳥に姿を変えられた姫との愛が中心に描かれている。

一方、森氏が演出する『The Lake』では、人々の複雑な心の動きを中心に描く。悲運の事故により亡くなってしまった娘、そんな過去に囚われた母親、孤独の中で成長した息子、悲劇の現実から逃げ出した父親…。そして彼らを取り巻く、悲しみをたずさえながらも「今」を生きる人々と、湖畔に集う魂たち。

古典バレエ「白鳥の湖」から着想を得たテーマ「愛と孤独」「過去と現在」「生と死」などの二面性を感じさせる構成で、切なくも美しい家族と魂の物語を展開する。

芸術という“答え”のない世界において、同作品が持つ“問い”には、現代を生きる人々の心に深く訴えかけるものがあるかもしれない。

関連記事: