世界で多発する異常気象! 私たちの生活への影響は

写真:PIXTA

世界気象機関では、「2023年は産業革命後の世界においてもっとも暑い一年になる見込み」と発表しました。

日本においても2023年の平均気温は、統計を開始した1898年以降でもっとも高い気温を記録するなど異常気象となりました。

一方、2023年9月にはアフリカのリビアで集中豪雨によりダムが決壊し、国連によると2023年11月14日現在で死者4,352人、行方不明者は8,000人を超える被害が発生しました。

世界では異常気象が多発しており、今後も予想もしないような災害が発生する可能性もあります。けれども、実際にどのような異常気象が世界で発生しているのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、世界で何が起こっているのか、そして異常気象が私たちの生活にもたらす影響や対策について解説します。

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異常気象とは

気象庁は、異常気象を「過去に経験した現象から大きく外れた現象」と定義しています。大雨や暴風などの激しい数時間の現象などのほか、数か月続く干ばつや極端な冷夏・暖冬なども異常気象です。

また、気象庁では気温や降水量などから異常か否か判断する場合、原則として「ある場所(地域)や時期(週、月、季節)において30年に1回以下で発生する現象」を異常気象としています。

これまでの異常気象は、偏西風の蛇行や熱帯地域の対流活動、エルニーニョ現象・ラニーニャ現象などによって、大気の流れや海水温の分布が変わることで発生していました。

しかし、近年は大気中の温室効果ガス濃度の増加により、世界のほとんどの地域で気温が上昇していることも、異常気象をもたらす原因になっているといわれています。

例えば、大気の内部変動や海洋との相互作用によるズレが生じた場合、世界の平均気温そのものが上がっている状態だと、過去にないような高温が発生する確率が高くなります。

また、気温の上昇に伴い大気が含める水蒸気量が増えると、集中豪雨が起こりやすくなり、大雨による洪水や土砂災害なども増加します。

ここ数年で発生している世界の異常気象

ここでは、世界でどのような異常気象がどこで起こっているのか紹介します。以下の画像は気象庁が発表している2018年~2022年の各年の世界で発生した異常気象です。

・赤色:高温の異常気象

・水色:低温の異常気象

・緑色:多雨の異常気象

・黄色:少雨の異常気象

・危険マーク:気象災害


引用:気象庁「2018年の異常気象」


引用:気象庁「2019年の異常気象」


引用:気象庁「2020年の異常気象」


引用:気象庁「2021年の異常気象」


引用:気象庁「2022年の異常気象」

各年とも、「高温(赤色)」が、必ず世界のどこかの広い範囲で発生していることがわかります。一方、低温(青色)は非常に少なく、あっても規模はかなり小さいという特徴があります。

また、危険マークは気象災害を示しますが、毎年のように世界のどこかで大雨や洪水などの気象災害が発生しています。

ここで注目したいポイントは、「多雨」がなくても大雨災害が多く発生していることです。

例えば、2018年~2021年にかけて、インドでは大雨災害が発生していますが、「多雨」はありません。これは、短時間の集中豪雨が増えていることを意味します。

集中豪雨は、短い時間で多量の雨が降って洪水や土砂災害をもたらす一方で、降る時間そのものは短いため、年間降水量には大きな影響を与えないのです。

年間の降水量に関係なく集中豪雨による災害が発生する可能性があるため、少雨傾向にあっても注意はしなければなりません。

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