花粉症対策って、市販品もたくさん売っているけど病院に通った方がいいの？
対策はいつから始めるべき？？
2回にわたり、花粉症についてアルバアレルギークリニック院長の続木康伸先生にお話を伺いました。
2回目の今回は、花粉症対策についてご説明いただきます。
花粉症対策はお早めに！その理由とは？
症状が出る前から花粉症対策をおこなった方がいい理由は、主に花粉によるアレルギー反応を予防し、症状の発現を抑えるためです。
以下の点が重要となります。
１）感作の予防
花粉にさらされることで体が感作され、アレルギー反応を起こす準備が整ってしまいます。
そのため、症状が出る前に対策を取ることで、この感作過程を抑制し、症状が軽くなるか、または出ないようにすることが期待できるのです。
２）免疫反応の抑制
一度花粉症の症状が発現すると、免疫系が過敏に反応してしまうため、症状を抑えるのが難しくなります。
早期から対策を取ることで、この過敏な反応を予防しやすくなります。
長期的な症状の軽減：症状が出る前からの対策は、花粉症のシーズンを通じて症状が軽くなるか、長期間にわたって症状が改善される可能性があります。
３）合併症の予防
花粉症が悪化すると、副鼻腔炎や喘息などの合併症を引き起こすリスクが高まります。
予防対策はこれらのリスクを減らす効果も期待できます。
これらの理由から、花粉症の症状が出る前に対策を始めることは、症状の管理と日常生活の質の維持に役立ちます。
花粉症に悩まされないために・・・普段の生活で気をつけるべきこと
普段の生活で花粉症を予防したり、症状を軽減したりするために気をつけるべきことは以下のとおりです。
１）花粉情報のチェック
・花粉の飛散情報を定期的に確認し、飛散量が多い日は外出を控えるか、必要な対策を
２）外出時の対策
・マスクやメガネを着用して花粉の吸入を防ぐ
・帽子を着用し、髪の毛に花粉が付着するのを減らす
３）帰宅時の対策
・家に入る前に衣服を払い、靴を脱ぐ
・帰宅後すぐに手洗い・うがいをする
・顔や髪を洗って花粉を洗い流す
４）室内環境の整備
・空気清浄機を使用し、室内の花粉を減らす
・定期的に掃除をして、床や家具の花粉を除去する
・窓を閉めて花粉の侵入を防ぐ
５）健康的な生活習慣
・バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がける
・ストレス管理を行い、リラックスする時間を持つ
・喫煙を避ける
※喫煙は呼吸器系の炎症を悪化させ、花粉症の症状を増強させる可能性があるため
受診すべき？ 市販薬でもいい？？ 受診の目安とは
市販の薬や目薬などの使用で問題なく過ごせている方は、そのまま続けていただいて問題ありません。
用法容量をしっかり守って使ってください。
花粉症で病院に受診する目安は以下のような状況に当てはまる場合です。
１）自己管理で症状が改善しない場合
通常の対策（マスク着用、室内環境の整備など）や市販の薬を使用しても、症状が改善しない、または悪化する場合。
２）日常生活に支障をきたす場合
花粉症の症状が強く、仕事や学校にいくなどの日常生活に大きな影響を与える場合。
３）他の症状が伴う場合
呼吸困難、喘息のような症状、持続的な頭痛、耳の痛みや聞こえにくいなど、花粉症以外の症状が現れる場合。
４）症状が非常に重い場合
非常に強い目のかゆみ、連続するくしゃみ、鼻水や鼻づまりがひどく、快適に過ごせない場合。
５）アレルギー症状の確定診断が必要な場合
花粉症かどうか不明確で、アレルギーの検査や専門医の診断が必要な場合。
６）予防接種（アレルゲン免疫療法）を検討する場合
花粉症の予防接種や長期的な治療が必要と考えられる場合。
これらの症状や状況に当てはまる場合は、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
医師は症状に応じた適切な診断と治療法を提案し、花粉症のコントロールに役立てることができます。
今回は、花粉症対策や受診の目安についてお話しいただきました。
症状がつらい方は、我慢せず、信頼できる先生に早めに相談しましょう。
今や4人にひとりが罹患し、国民病ともいわれる花粉症。
花粉症に悩む方も、そうでない方も。
この季節の過ごし方をしっかり考えたいものですね。
執筆者
続木康伸先生
アルバアレルギークリニック院長
［経歴］
新生児から妊婦まで年間のべ１万人、九州や東京からも患者が訪れるアルバアレルギークリニック院長 。
Podcast：続木康伸の「知れば勇気が湧くアレルギー攻略講座」は、現在Amazon musicのおすすめにピックアップ中。
2023年3月「カズレーザーと学ぶ。」/日本テレビ 出演
アルバアレルギークリニックホームページ
https://alba-allergy-clinic.com/
配信： キレイ研究室
関連記事：
