【前編】顎を動かすと音が鳴って痛い・・顎トラブルの原因について田中歯科クリニック田中院長にお伺いしました!

【前編】顎を動かすと音が鳴って痛い・・顎トラブルの原因について田中歯科クリニック田中院長にお伺いしました!

顎を動かすと音が鳴る、痛みがある。

病院に駆け込むほどではないけど、ちょっと気になる・・・という悩みを抱えている方は、実は多いのです。

今回は、田中歯科クリニック院長の田中俊樹先生に顎のトラブルの原因と対策についてお話を伺いました。

もしかしたらあなたも?意外と多い、顎に悩みのある人

人口の約15% 1,800万人の人たちが、口を大きく開けると音がするといわれています。

口を開けると、カクカクといった音やパキパキといった音(クリック音と呼ばれています)がするというような症状は、多くの人が一度は体験するようなことでしょう。

一般的には、時間が経てば自然と治ることが多いです。

注目したいのは、20歳から25歳までの女性の方のなんと41%(5人に2人)に症状があるということです。

その中でも痛みを感じている人が、14% (7人に1人)にも上るということが、2016年に 厚生労働省より発表されています。

こんな症状起きていませんか?

顎関節症の代表的な症状は3パターンあります。

1)口を大きく開けると音がする

2)口を開けると顎の関節が痛い

3)筋肉が硬直して 口が開きづらいです。

突然の症状の出現の場合には、 セルフケアで改善することも多いです。

ひとつの対処法として、ご自身でお風呂に入ってリラックスしたときに、耳の穴の前の窪んだ部分(顎関節のある場所)や耳の後ろから首にかけて縦に長い太い筋肉(胸鎖乳突筋)をよく手でマッサージしてみてください。

セルフケアをおこない、2、3日で治ってしまうのならさほど心配は入りません。

しかし、症状が長く続いたり痛みがひどい場合は、 いくつかの原因が考えられます。

少し専門的にはなりますが、参考にしていただければ幸いです。

顎が不調になる原因は?

一番の原因は、ストレスによる「歯ぎしり」や「食いしばり」が、顎関節に悪影響を及ぼしていることが考えられます。

このストレスというのは、非常に個人的な事なので、その対処法は、その人の生活環境や習慣によって違い千差万別です。

一般的なストレスには

1)精神的ストレス

2)肉体的ストレス

3)口の中の環境の変化によるストレス

があります。

3つのストレスと、その対処法について順にお話ししたいと思います。

精神的なストレスとの向き合い方

精神的なストレスに関しては、専門家のカウンセリングを受ける事も選択肢のひとつです。

特に20代は、初めての職場での新しい仕事や人間関係、人によっては結婚など、学生時代の仲の良い友達関係とは、環境が大きく変化する時期ですす。

夫婦になったとしても、育った環境の違いにより価値観の違う異性と多くの時間を共にします。

これは、意外にも大きなストレスとなることがあるのです。

本医院で行っている基本的なカウンセリングは、ご自身でできる簡単な瞑想をおすすめしております。

寝る前にリラックスした状態で「一体何が、自分に対してストレスになっているのか?」を内観(静かに自分の本心と向き合う)していただくことも有効です。

自分の中にある怒りや、悲しみ、心配事の原因を自覚します。

そして、その原因となっている人や出来事に「感謝」するなどで視点を変え、前向きになり「解決できない問題はひとつもない」と気持ちの切り替えをしてみましょう。

どうしようもない時は、一線を引いて距離を置き、ストレス要因から離れてみることも大切。

少し参考にしてみてください。

肉体的なストレス(筋肉の緊張)のセルフケア

筋肉の緊張に対する対処法は、理学療法があります。

整体、鍼灸、カイロプラクティック、フェイスマッサージなどを受けてみる方法もあります。

ただ、この対症療法は一時的なものといえます。

何故なら「歯ぎしり」や「食いしばり」は、多くの場合、ご自身の意志ではコントロールできない無意識の状態で起きるからです。

顎や関節に痛みを感じた時には先に書いたようにやさしくマッサージをしてみて下さい。

また、「歯ぎしり」や「食いしばり」が、長く続くと、顎の横の筋肉(咬筋)が膨らんできて、小顔と反対の顎のエラの張った四角い顔になるので、小顔を気にされる方にとっては要注意です。

歯ぎしりや食いしばりが起こる原因としても影響する、口の中の環境の変化によるストレスについては、次回ご説明いたします。

[執筆者]

田中俊樹(たなか・としき)先生

歯科医師/歯学博士

医療法人聖徳会 田中歯科クリニック 院長・理事長

略歴

1980年;神奈川歯科大学 大学院修了(歯学博士)

     米国南アラバマ州立大学 医学部(Post Docter)

1982年;神奈川歯科大学 講師

1984年;明徳会 福岡歯科本院 院長(日本橋)

1985年;日本歯学センター 卒後研修 講師

1986年;田中歯科クリニック開業(逗子市)

1990年;日本全身咬合学会 評議員

1992年;逗子葉山青年会議所 理事長

2015年;医療法人聖徳会 田中歯科クリニック設立

義歯やオーラルフレイルなど、オーラルケアに関する学会発表や論文多数

田中歯科クリニック ホームページ

https://tanakadental.com/

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キレイ研究室
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「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。
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