【キッザニア東京・創業メンバーが語る】子どもと遊ぶことに疲れたら?

第3回 子どもとの遊び方に悩むママへ。「キッザニア東京」遊びのノウハウ
子どもと一緒に遊ぶのも育児の一環。遊びを通し、親子で触れ合うことは子どもに好影響をもたらすものです。しかし、子どもの目線に立ち続けると、疲れを感じることもあるのではないでしょうか。「子どもと遊んでいる間に家事を済ませてしまいたい……」そんな思いがよぎることもあるはず。

そこで、キッザニア東京の創業に携わった経験を持つ、しみずみえさんに、子どもとの遊びに疲れてしまったママたちへのアドバイスをもらいました。

●“子どもと遊びたくない”ときは誰かを頼ろう

子どもとの遊びでママからよく聞くお悩みは、遊びのバリエーションが少ない事なんだそう。

「子どもと遊んであげたいと思っても、5個くらいでネタ切れになるというママも多いです。でも、あれこれやらなきゃいけないって思わなくていいんです。自分が子どもの頃遊んだこととか、自分でもなんとかできる遊びが1つか2つあれば十分だと思います」(しみずさん、以下同)

子どもと1対1で遊ぶことが苦手であれば、児童館や育児サークルに行くなどして、得意な人に頼ってもいいとしみずさん。あれもこれも全部、自分でやろうと思うと苦しくなってしまうといいます。

「人によって自分の得意分野は違うので、『疲れたな』とか『遊びたくないな』と思ったら、自分一人で解決しようとしないこと。周りの環境に少しアンテナを張って、頼れるサービスや支援には頼ればいいと思います」

【キッザニア東京・創業メンバーが語る】子どもと遊ぶことに疲れたら?

●スマホやテレビは遊びのツールではなく親子コミュニケーションの手段に

一方で、忙しいママがつい頼りたくなる「スマホ遊び」には、注意が必要だといいます。

「スマホも使い方次第ですが、最終手段としてとっておいた方がいいと思います。本当にどうにもならなくなったら、スマホでアニメを見せるという方法もあると思いますが、そこに行き着くまでに自分なりに歌を歌ってみたり、絵本を読み聞かせたりした方がいいのではないでしょうか。というのもスマホありきだと結局、子どももそれありきになってしまう。『どうにもならなかったらなんとかなる』っていう保険にとっておく、という使い方がオススメです」

スマホやテレビは子どもの関心を引きますが、どうしても受け身になりがち。そこは、上手にコントロールすることも大事です。

「スマホもテレビも内心『良くないな』って思いながら仕方なく使っているママも多いんですよね。ただ、どうしてもご飯を作る間の少しだけ、子ども向け番組を見てくれると助かる、ってことはありますよね。そんなぎりぎりの選択まで否定してしまうと、ママたちは何にもできなくなってしまうと思うんです。子どもが何を観ているのかを遠目にみておいて、『こんな歌をうたってたね』と、テレビ番組を通じたコミュニケーションを取る。少しでも、ただの受け身ツールで終わらない工夫をしよう、という意識は、子どもにも伝わると思いますよ」

最後に、子どもと一緒に遊ぶことの楽しさを教えてもらいました。

「遊びの定義は色々ありますが、個人的には“ワクワクすること”は全て遊びだと思っています。子どもは親との遊びを通じて、ワクワクする事に一緒に寄り添う、ワクワクに共感する事で、心の動きを感じ合う共感意識や、信頼する気持ちが高まっていくと思います。親にとっては子ども自身が好きなこと、興味を持っていることを感じることができます。

また、子ども時代に遊び損ねてきた大人って案外、多いんじゃないかって思うので、自分の子どものワクワクに触れることで、『心の動くままに遊ぶことってこうゆう感じだったんだ』って心を解放することができたらいいなぁって思います」

しみずさんのアドバイスをもとに、少し視点を変えることで、これまで気付けなかった子どもとの遊びの楽しさに気付けそうです。

(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)

お話をお聞きした人

しみずみえ
しみずみえ
こども×おとな×しごとプロジェクト代表
おとな・こどもが共に自分らしさを育むことを目指し、こどもとおとなのワークショップや、おとな向けの講座の企画・開発・運営などを行う。過去には、おもちゃの企画開発やキッザニア東京の創業に携わる。 著作『あそびのじかん-こどもの世界が広がる遊びと大人の関わり方』(英治出版)。現在facebookページ〈あそびのじかん〉にて、日常の中の遊びの風景を見つける視点を毎日紹介。
おとな・こどもが共に自分らしさを育むことを目指し、こどもとおとなのワークショップや、おとな向けの講座の企画・開発・運営などを行う。過去には、おもちゃの企画開発やキッザニア東京の創業に携わる。 著作『あそびのじかん-こどもの世界が広がる遊びと大人の関わり方』(英治出版)。現在facebookページ〈あそびのじかん〉にて、日常の中の遊びの風景を見つける視点を毎日紹介。