栄養ドリンクは妊娠中の栄養補給や休息の代わりにはなりません
妊娠中に風邪などで体調がすぐれないときや疲労回復したいときは、十分な睡眠をとり、食べやすい栄養のある食事をとりましょう。栄養ドリンクを飲んだとしても、体力が回復するわけでも疲労がなくなるわけではありません。
つわりや胃腸の調子が悪くて食べることができず、栄養ドリンクしか飲めない状況であれば、それは病院での治療が必要な状態ですので、直ちに産婦人科を受診しましょう。また、風邪などで体調を崩して薬を飲むことを避ける代わりに栄養ドリンクを飲むことはやめましょう。妊娠中でも使用できる薬はありますので、次の健診を待たずに産婦人科を受診してください。
家事や子育て、仕事などに追われて「栄養ドリンクを飲まないとやってられない!」という状況であれば、そのライフスタイルを見直すことを優先しましょう。疲労がたまって体と心が壊れてしまったら、妊娠経過や胎児の成長にも影響を及ぼしてしまいます。
妊娠中は必要な栄養の過不足なく摂れる食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスをためないようにリフレッシュすることが大切です。これらのバランスをとるために、栄養ドリンクに頼っても、栄養補給や休息の代わりにはなりません。栄養ドリンクを飲むか飲まないか悩む状況ならば、次の健診を待たずに産婦人科を受診して相談しましょう。
まとめ
「妊娠・授乳期の栄養補給」「産前産後の栄養補給」と表示された栄養ドリンクを妊娠中に飲んでもかまいませんが、製品に表示されているとおりの効果が本当に得られるかどうかはわかりません。栄養ドリンクを飲んでも、妊娠中の栄養補給や休息の代わりにはなりません。栄養ドリンクに頼らざるを得ない状況であれば、早めに産婦人科を受診して相談しましょう。
<参考>
・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生
順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
著者:助産師 古谷真紀
一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー
大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
配信: ベビーカレンダー(パパママ)
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