元アパレル店員が明かす「とてもお似合いです〜」似合っていない服を薦めてくる理由

元アパレル店員が明かす「とてもお似合いです〜」似合っていない服を薦めてくる理由

〜アパレル店員の実態〜似合っていない服を薦めてくるときの理由

 アパレル店員が、自分(客)に似合っていない服を薦めてくるときの理由とは? 売り切りたい商品をさばいている? 明らかに自分に似合っていない服を薦めてくる店員に対して「その裏にはどんな理由があるのか?」「いらない商品を売り切るために薦めてくるって本当?」などの疑問について、 元アパレル販売員が真実をこっそり明かしてくれました。

そもそも、アパレル店員のアドバイスは信じていいの?

 洋服にまつわる専門スタッフであるアパレル店員は、有益な知識を持っていることが多いので、ファッションコーディネートや商品情報についてたずねるのは、賢い買い物につなげるための手段であると言えるでしょう。基本的には、アパレル店員のアドバイスは信じてもらってOKでしょう。

 しかし、アパレル店員からのアドバイス全てが、お客さんに寄り添ったものであるとは言い切れないのも事実です。お店の売上をアップさせるため、在庫を消化させるため、売り場で自分の存在感を示すためにいろんなことを考えて接客販売しています。では、一体どのようなシーンで、自分(客)に似合っていない服を薦めてくるのかについて見ていきましょう。


「とてもお似合いです〜」似合っていない服を薦めてくる理由

【その1:土日の混雑時はマンツーマン接客の時間を短縮する傾向あり】
 例えば、忙しい土日や祝日には、一組のお客さんにベタ付きで接客することは難しい場合があります。そんなときは、お客さんの迷う時間を少なくするために、迷っている商品の片方をよく言ってもう片方を悪く言い、どちらを買うかの判断を速めるように誘導することがあります。「こちらのカラーがダントツ人気で、もう残り1点です!」などと、ある商品に特別感を持たせて、速く売れていくように仕向けることも。そんな思いが強く出てしまった最もたる行動が、似合っていない服を薦めることと言えるかもしれません。

【その2:次の新作が発売される前に旧作は売り切りたいのが本音】
 アパレル店員が、お客さんにハッキリと「これが似合う」と意思表示することは多くはありません。自分の主観をハッキリ伝えてしまうと、お客さんと気持ちが違った時に気まずい思いをしたり、本当に似合うかどうか責任を持たなければいけない気がしたりするからです。それなのに「こちらの洋服、お似合いです!」と伝えてくる時は、本当に似合っているか、その服をどうしても売り切りたいかのどちらかです。

 アパレルの商品は大きく2種類。入ってきたばかりで今後も再入荷が見込める新作商品か、再入荷の見込みはなく在庫消化の段階に入っているセール商品です。次回の新作が発売される前に旧作であるセール商品を売り切り、新作を置くスペースを確保する必要があります。また、季節が進むとどんどん旧作が売れにくくなるので、早めに売り切りたいという思いがあります。

 そんなタイミングで旧作を気にかけてくれるお客さんがいたら「逃すまい!」と、「こちらはもう再入荷がない商品です。買うなら今!」と言わんばかりに勧めてくるのです。元アパレル店員のアドバイスによると、セール品は「定価でも買うか?」と自分に問いかけて、それでも必要だと感じたなら買うと後悔することは少ないということ。安さやアパレル店員からのプッシュに心が動いて買おうとしているなら、それはミスマッチかも…。

【その3:サイズやカラーは売れ残りを薦められている可能性アリ】
 アパレル店員から「とてもお似合いです〜」と言われ、さらにどのサイズやどのカラーが似合っているか具体的に薦められたときは要注意です。お客さんの好みのテイストや肌タイプを考慮して親身になってアドバイスをしてくれているときもあれば、そうではないときも(汗)。アパレル店員が言う要注意なセリフは、「こちらのアイテムはあえてサイズアップ(サイズダウン)して着るといいですよ」「あえてこちらの色味で印象を変えてみては?」などが挙げられます。

 アパレルの商品は、1種類のアイテムのサイズやカラーが細かく展開されていることがよくあります。新作商品として入荷するときは、サイズとカラーがバランスよく入ってくるものの、どうしても販売しているうちに売れていくサイズやカラーに偏りが出てきてしまうのが常。そんな時は、実際に売れ残っているサイズや今後売れ残ってしまいそうな不人気のカラーを積極的に消化すべく、お決まりのセリフを活用しているパターンはあり得ます。

【まとめ】
 アパレル店員が自分に似合ってない商品を薦めてくるケースはごく稀にありますが、忘れないでほしいのは、多くのアパレル店員はお客さんのためにセンスのいいファッションコーディネートを勧めて親身になってアドバイスをしてくれているということです。そんな中でも、試着をしてみて「えっ…流石にこれは違うでしょ」と思った時は、今回紹介したセリフを思い返してみて、自分の中の感覚を研ぎ澄ましてくださいね!

(岩井なな)

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