離婚後の「共同親権」を可能にする民法改正要綱案に懸念の声〈弁護士アンケート〉

離婚後の「共同親権」を可能にする民法改正要綱案に懸念の声〈弁護士アンケート〉

法制審議会の家族法部会は1月30日、離婚後も父母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」を可能にする民法改正要綱案を委員の賛成多数で取りまとめました。

報道などによると、2月15日の法制審議会総会で要綱を決定し、法務大臣への答申を経て、政府が今国会に民法改正案を提出することになります。

弁護士ドットコムでは、会員弁護士に、要綱案についてのアンケートを実施し、251人から回答が寄せられました(実施期間:2月2日〜2月6日)。

要綱案について賛否を尋ねたところ、63.7%が「反対」、16.3%が「どちらかといえば反対」と回答し、8割が否定的な見解を示しました。

●要綱案とは?

今回の要綱案では、離婚後の協議で、単独親権か共同親権かを選択できるようになります。協議が合意に至らなかった場合、家庭裁判所が「子の利益」を踏まえ、どちらかを判断します。また、いったん合意したとしても、家庭裁判所の判断で親権者を変更することも可能です。

DVや虐待への懸念について、要綱案では、父や母が子どもの心身に悪影響を及ぼしたり、父母の一方が、もう一方から暴力や有害な言動を受ける恐れがあれば、家庭裁判所は単独親権を定めなければなりません。

●要綱案に8割が反対

アンケートでは要綱案の賛否について、63.7%が「反対」、16.3%が「どちらかといえば反対」と回答し、「どちらかといえば賛成」、「賛成」と回答した計17.6%を大きく上回りました。「どちらともいえない」は2.4%でした。

関連記事: