【専門家に教わる】認知症「夕暮れ症候群」周囲が意識すべき4つのポイント

【専門家に教わる】認知症「夕暮れ症候群」周囲が意識すべき4つのポイント

夕方になるとソワソワしてしまう認知症の症状である「夕暮れ症候群」。正しい付き合い方にはポイントが4つあります。介護福祉士の青木さんに、4つのポイントを詳しく解説してもらいました。

監修介護福祉士:
青木 直士(介護福祉士)

神奈川社会福祉専門学校卒業。卒業時に介護福祉士取得。卒業後は介護老人保健施設や特別養護老人ホーム(従来型・ユニット型)・認知症共同生活介護(グループホーム)で合わせて9年間勤務。2022年からWebライターとして活動。以降、介護に関する記事などの執筆を行う。

編集部

夕暮れ症候群のことはわかりましたが、不穏行動が出るとどうしても気持ちが参ってしまいます…。

青木さん

気持ちはわかりますが、介護者側がイライラをしてしまうと、認知症の方はさらに不安な気持ちになり、夕暮れ症候群を引き起こすきっかけとなります。夕暮れ症候群は理解して正しい付き合い方を知ることが大切です。

編集部

正しい付き合いについて教えてください。

青木さん

ポイントは4つあります。1つ目は、自分の好きなことに集中してもらうことです。高齢者の過去の趣味を参考にして、できることをしていただくと夕暮れ症候群の兆候が出ず、落ち着いて過ごせます。洗濯物を畳んでもらう、ぬり絵、夕飯の支度の手伝いなどが挙げられます。介護計画を参考に今の身体状況で高齢者ができることをしていただくことが大切ですよ。

編集部

2つ目のポイントはなんでしょう?

青木さん

2つ目は会話する時間を設けることです。夕暮れ症候群の方は周りが忙しそうにしている姿を見て、不安な気持ちになります。なので、夕方はできるだけ忙しい雰囲気を出さず、業務を行いながら利用者との会話する時間を多く設けることが大切です。

編集部

3つ目のポイントを教えてください。

青木さん

訴えを傾聴しても落ち着かない場合は、小腹が空いて気持ちがモヤモヤしている状態と考えていいでしょう。空腹による不快感がきっかけとなり夕暮れ症候群が起こるケースもあります。空腹による不快感が原因の場合、軽食やおやつを提供すると落ち着くことがあるので、おすすめです。

編集部

なるほど。夕飯がもうすぐだからといっていつも待っていてもらいました。

青木さん

1日に摂れるカロリー数の制限などを受けている高齢者もいるため、普段から提供しているおやつの量ではなく、たとえばビスケット1枚などにしておくといいですね。提供した後は、おやつを一人で食べてもらうのではなく一緒に食べたり、高齢者が食べている間は一緒に過ごしたりすると落ち着くことがあるので、おすすめです。

編集部

最後のポイントはなんでしょう?

青木さん

窓の外の景色が、夕日色に染まっていたり、暗くなっていったりするのを見ると不安になる認知症の方もいますので、カーテンを閉めることです。まだカーテンを閉める時間帯でない場合は、照明の明るさ調整をすることで不安を解消することもできます。例えば暖かみのある電球色の光はリラックスできる空間に使用されているため、おすすめです。

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