「競合アイドルと共演NG」「無理やりホテルに」 芸能・メディア業界の性暴力と圧力、実態調査で浮き彫りに

「競合アイドルと共演NG」「無理やりホテルに」 芸能・メディア業界の性暴力と圧力、実態調査で浮き彫りに

旧ジャニーズ事務所の”性加害”など、芸能界のハラスメントや圧力、忖度が大きく注目を集める中、一般社団法人「社会調査支援機構チキラボ」は2月14日、芸能やメディアで活動する人を対象とした実態調査の結果を公表した。

調査結果によると、「干すなどの圧力をかけられたことがある」あるいは「見たことがある」と回答した人は、それぞれ5割近くにのぼった。

「セクハラや性暴力の被害を受けたことがあるか」という質問に対しては「ある」と回答した人は5割を超えるなど、特に被害が多かった。

また、「アイドルグループを擁する大会社が他の男性グループを共演させるならば出演しないと脅迫していた」「当時所属していた芸能事務所の社長から性的関係を結ばないならば売り込まないと言われた」といった声が寄せられ、業界の異様な実態が浮き彫りになった。

●業界の構造や風土の改善を求める声が高まっている

チキラボ代表の荻上チキさんはこの日の記者会見で次のように述べた。

「ジャニーズ事務所以外にも多くの団体や個人に関するハラスメントがこれまで継続的に存在しています。

また、悪質的なハラスメントや性暴力が存在しながらも、相談につながらず、対処できていない実態が多く存在していました。

大手事務所から他事務所、また事務所からメディア、あるいはメディアから事業者など、幅広い圧力の事例というものが存在しています」

荻上さんは、そのうえで、業界の構造や風土の改善、ガイドラインの策定を求める声が強くなっていると指摘した。

⚫️出演への圧力をかけられたことがある人は5割弱

調査は2023年11月7日から2024年1月19日まで、芸能や報道、メディア分野の仕事に関わる人を対象に実施して、分析可能な回答は275人から得られた。

まず、「出演・取引の禁止(いわゆる「干す」)などの「圧力」をかけられたことがある」かどうかを質問したところ、「ある」と回答した人は123人(48.2%)だった。そうした行為を「目撃したことがある」人も、119名(46.7%)となった。

実態として、次のような自由回答が寄せられた。

・10年以上前に3人組の男性グループのうち脱退した1人を編集で写さないようにするように指示された。(40代男性・メディア関係者)

・性交渉を全力で断った時に、事務所に所属したいなら応じろ。出来ないなら芸能界にいられないようにしてやると言われた。(50代女性・出演者)

・マネージャーの機嫌を損ねテレビドラマ関係の仕事を一切振られなくなった。(40代男性・出演者)ト

また、「出演・取引禁止の圧力をかけた経験がある」と回答した人は18人(7.1%)で、こんな声が寄せられた。

・40年前ぐらいからつい最近まで、ある事務所のタレントに競合する他社の男性アイドルグループを共演NGなどの方法で番組に出さないよう圧力をかけていた。(60代男性・事務所関係者)

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