【新説・花粉対策】目が痒いので洗面所で目についた花粉を洗い流した…は間違い!? どうすりゃいいの?【看護師が解説】

【新説・花粉対策】目が痒いので洗面所で目についた花粉を洗い流した…は間違い!? どうすりゃいいの?【看護師が解説】

看護師のmocaです。春が近づいて過ごしやすくなってきた一方、今年は圧倒量といわれている花粉の症状に悩まされている方も多いんじゃないでしょうか。日本テレビの情報番組では、花粉症で目がかゆくなったときの「正しい対処法」について紹介していました。花粉が目についてかゆくなったら、そりゃ洗面所に行って花粉を洗い流すのがてっとり早いでしょ!と思っていたら…どうやら間違いらしいんです…。では、いったいどうすりゃいいの!?

【新説・花粉症対策】家に入る前に服についた花粉をはたく…は間違い!? 100均のアレを使うのが正解だと?

季節性アレルギー性結膜炎とは

花粉症の症状は目と鼻にあらわれやすいです。
目の症状には痒みや充血、涙、ゴロゴロとした異物感、まぶたの腫れなどがあり、花粉などが原因で特定の季節にのみ目に症状がでるものを「季節性アレルギー結膜炎」といいます。

出典:イラストAC

季節性アレルギー性結膜炎のメカニズム

スギ花粉などのアレルゲン物質が目に入ると免疫物質のIgEが作られ、体内に存在するマスト細胞とIgEが結合します。
再び花粉が体内に侵入してくると、マスト細胞がヒスタミンなどのアレルギー誘発物質を放出し、目の神経や血管などを刺激して目の痒みや涙などのアレルギー反応を引き起こします。

『バゲット』では以下の花粉症クイズを出題し、目のかゆみ対策の新説を紹介していました。

【花粉症クイズ】

次の文章中で間違いはどの部分でしょう?
『家に帰ったら外で花粉がついたのか、突然目が痒くなった。
かくのを我慢し、急いで洗面所に行き水道水で目を洗い流した』

出典:イラストAC

目が痒いときにかいてしまうと、かくこと自体が刺激になってしまうだけでなく、手に付いた花粉が目に入ることでも症状が悪化してしまいます。
よって「目をかかない」という点は正解ですよね。

では間違っているのは、



「水道水で目を洗う」という部分です。

水道水で目を洗わない方がいい理由について、九州大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 講師の村上大輔医師は
「水道水に含まれる塩素で目の粘膜を傷めることがあるので水道水で目を洗うのは避けてください」とコメントしていました。

涙には目の乾燥を防ぐ役割や、外界の刺激から目を保護してくれる役割があります。
水道水は目を保護してくれる涙の成分も一緒に洗い流してしまうので目のトラブルにつながる可能性があるんです。

ではどのような対処方が望ましいのでしょう。
花粉症に使われる目薬には次の種類のものがあります。

目の症状への対処法

【人工涙液の目薬や洗眼薬】
村上医師がおすすめしていたのは医療機関やドラックストアで手に入る人工涙液です。
人工涙液は涙に近い成分で作られた点眼薬で、数滴点眼することによって目に入った花粉を洗い流す効果があります。
防腐剤無添加の人工涙液は1日何回でも使用することができ、花粉の侵入の予防にもつながります。

また、外から帰ったときには人工涙液の洗眼液を使って目をパチパチさせると、点眼薬では除ききれない上まぶたに付着した汚れも洗い流すことができますよ。
さらに村上医師は「保冷剤などをタオルで巻いて目を冷やすと痒みを抑えることができる」ともアドバイスしていました。

人工涙液の他にも花粉症の症状を抑える目薬には、抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬があります。

【抗アレルギー点眼薬】
抗アレルギー点眼薬には(1)抗ヒスタミン点眼薬と(2)ケミカルメディエーター遊離抑制薬があり、市販薬としてドラックストアや薬局でも購入することができます。

(1)抗ヒスタミン点眼薬
かゆみや充血の原因であるヒスタミン(アレルギー誘発物質)が目の神経や血管などのにくっつくのをブロックする効果があり、すでに起こっている症状に効きやすいです。

(2)ケミカルメディエーター遊離抑制点眼薬
マスト細胞に働きヒスタミンなどのアレルギー誘発物質の放出を抑えます。
こちらは症状が出る前や症状の出始めに使うのが効果的です。

市販薬は症状に対してゆるやかに効いていきます。
市販薬を数日間使っても症状が改善されない場合は早めに眼科を受診してくださいね。

出典:イラストAC

まぶたの腫れや痛みがあり重症な場合は、炎症を抑えるためにステロイド点眼薬を用いて治療することがあります。
ステロイド点眼薬は市販されておらず病院で処方してもらう必要があります。

コンタクトレンズを使用している場合は目薬を選ぶ際に注意が必要です。

コンタクトレンズの注意点

目薬に含まれている防腐剤によってソフトコンタクトレンズを変形させてしまうことがあるので、必ずコンタクトレンズ専用の目薬を使用してください。

花粉の時期はコンタクトレンズの装着により目への負担が大きくなり炎症を起こしやすくなるので、できればメガネを着用するのが望ましいです。
フード付きの花粉対策メガネにするとと花粉の侵入をかなり抑えることができて効果的ですよ。


今回は花粉症の目の症状と対処法についてまとめていきました。
内服薬や点鼻薬も目の症状に対して有効なので、自分に合った方法で目の健康を守りましょう。

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あたらしい日日
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世界が目まぐるしく変わってゆく今だからこそ、自然を身近に感じながら、自分らしく、気持ちよく暮らしたい。『あたらしい日日』は、そんな思いを抱くすべての女性のためのライフスタイルメディアです。「食」や「農」の話題を中心に、“あたらしい暮らし”に合う食べ方、住み方、働き方、遊び方、自分の磨き方…などを提案します。
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