佳子さまが秋篠宮ご夫妻の背中を見て学んだこととは?

第3回 天皇家の子育てってどうしてるの? ~共働き夫婦・秋篠宮家流子育て術
父親や母親が大切に思うことを、どう子どもに伝えればよいのだろうか? また、自発的に行動する子どもに育つにはどうすればいい? じつは、そうした子育てのヒントが秋篠宮家には詰まっている。父と母である秋篠宮ご夫妻の「仕事」に、幼い頃から同行してきた眞子さま、佳子さまと悠仁さま。小さな日常の積み重ねは、やがてお子さま方の中で実を結んでゆく。成長の過程を振り返りながら、子育ての知恵を読み解いていこう。

●言葉ではなく体感を通して伝えることが大切

戦後70年の節目にあたる昨年8月。秋篠宮ご夫妻は、都内で開かれた、「沖縄地上戦と子どもたち」の集いに出席した。沖縄戦の巻き添えになった子どもらを慰霊するもので、佳子さまと悠仁さまも出席。真剣な表情で説明を聞き、黙とうして犠牲者を悼んだ。

両陛下は、先の大戦の慰霊に深い想いを寄せている。秋篠宮ご夫妻もその意志を継ぐ形で、慰霊に心を寄せ続ける。

ご夫妻は、慰霊の場をはじめ公務などに、お子さま方が幼いうちから同行させている。 外で仕事をする親の背中を子どもに見せる。言葉ではなく体感を通して、子どもに伝わることは多いに違いない。

第1回目の記事でも触れたように、秋篠宮ご夫妻の教育方針は礼節を重んじること。それがよく表れているのが、眞子さまが2歳頃の映像だ。お出かけ先で、たくさんの土地の人たちが秋篠宮ご一家を出迎えている。ご夫妻と一緒に歩く眞子さまは、小さな体を懸命に折り曲げて、ぺこりと何度もあいさつをしていた。
 
’00年夏。昭和天皇の妻であった香淳皇后の葬儀での光景も印象深い。8歳と5歳だった眞子さまと佳子さまは、体の不自由だった故・桂宮さまと宮殿南車寄に並び、柩を見送った。当時、取材した記者は、「しっかりと役目を果たす幼い姉妹の姿に、心を打たれた」と筆者に繰り返し語ってくれたものだ。

あれから16年の歳月を経た。いま眞子さまと佳子さまは、母の紀子さまのライフワークのひとつである手話を学んでいる。眞子さまは、「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」、佳子さまは、「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に公務として出席し、あいさつの場で手話を披露している。

近くで見ていれば親の強制で公務をこなしているのではない、と感じる。眞子さまも佳子さまも、ご自分たちの公務をライフワークとして大切に取り組んでいる様子が伝わってくる。

ベトナム,ラオス,タイへの公式訪問を6月末から7月上旬に終えた年の夏。軽井沢に滞在し、家族だけの時間を過ごす秋篠宮ご一家(’99年8月20日撮影)写真/河崎文雄カメラマン

●悠仁さまの受験を控える紀子さまの心中は?

そして昨年8月には、天皇陛下が退位をにじませるメッセージを公表した。政府は、2019年1月1日に代替わりの方向で調整を進めている。

国民の注目が皇室に集まるなか、秋篠宮家への関心も高まっている。皇后美智子さまをして、「さすが天皇陛下の血を引く内親王ね」と言わしめた、しっかり者の長女、眞子さま。「美しすぎる皇族」と注目される次女、佳子さま。未来の天皇となる悠仁さま。

魅力的な姉妹弟を育てる秋篠宮家の子育てや教育方針への関心はもちろん、共働き夫婦として子育てに奮闘しながらも、日本一の旧家、天皇家を支える筆頭宮家として活躍する姿が、世間の共感を得るのだろう。

皇族といえどもひとりの人間である。紀子さまは、前出の高清水さんと子育てについて話しをしたことがあったという。

「子どもたちは少し休むと元気になりますが、私はもうひと休みしないと」

家族間のコミュニケーションや子育ての方針への試行錯誤や悩み。どの家庭でも同じことだと共感することも多い。お茶の水女子大学附属小学校に通う悠仁さまの附属高校は女子高。5年後には、高校受験が待ち受ける。ご夫妻が親としてどう対応するのか、とても興味深い。秋篠宮家の子育てに、ますます目が離せなくなりそうだ。

(取材・文/永井貴子)

お話を聞いた人

皇室
髙清水有子
ジャーナリスト
皇室評論家。一女の母で皇室関連の講演会やTV番組に出演。主な著書に、『紀子さまの育児日記』(朝日出版社)『悠仁さまへ―秋篠宮家に受け継がれる愛の系譜』(学習研究社)など。
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佳子さまご成年記念 秋篠宮家 25年のあゆみ (アサヒオリジナル)
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