車に常備すべき防災グッズ|季節別の注意点も解説


写真:PIXTA

日本で毎年のように発生している自然災害。地震や津波をはじめ、異常気象による集中豪雨や台風、それに伴う土砂災害や浸水被害なども多発しています。

災害は、いつどこで巻き込まれてしまうか予想ができません。

車を運転している時に災害が発生するケースも考えられるため、車にも防災グッズを常備しておきたいものです。

この記事では、車に常備すべき防災グッズや季節別の注意点を紹介します。

こちらの記事もおすすめ!→災害時にないと困るもの11選!事前に揃えて災害に備えよう

運転中に災害が起きた場合の対応

運転中に大きな地震が発生した時は急ハンドルや急ブレーキを避け、できるだけ安全な方法で道路の左側に停止させるなど、緊急車両への配慮や被害を拡大させないための対応が必要です。停止したあとはスマホやカーラジオなどで地震情報や交通情報を集め、周囲の状況に応じた行動を取りましょう。

車を引き続き運転できる状況にある場合は、道路の損壊や信号機の停止、道路の障害物などに注意しながら運転をします。

道路の損壊や津波のように車を置いて逃げなければならない時は、窓を閉めてエンジンを切り、エンジンキーをつけたままにして徒歩で安全な場所に避難します。その際、避難する人の通行や、災害応急対策の実施の妨げとならない場所に駐車することが必要です。

夏の注意点

夏に多い災害として、集中豪雨による洪水や浸水、土砂災害が挙げられます。

集中豪雨により道路の冠水が予想される場合は、運転を控えるほか、運転中に大雨で道路が冠水している場合は迂回することが大切です。冠水した場所で走行を続けると、車がコントロールできなくなり、走行不能に陥ってしまう可能性があります。

例えば、10cm(タイヤの半分)ほどの冠水でブレーキが効きにくくなり、走行が危険な状態になります。


引用:内閣府「自動車で安全かつ確実に避難できる方策」

また、アンダーパスや低い場所は避け、浸水しやすい川沿いや土砂災害が多い崖の近くも通らないようにしましょう。

やむを得ず冠水した道を走行する場合は、時速10Km程度までスピードを落としてゆっくり走る必要があります。これは水深が床面以下であっても、スピードが早いと、車両が巻き上げた水や波によって排気口などからエンジンに水が入って、停止する可能性があるためです。

冠水した道で立ち往生しそうな場合、ドアに水圧がかかると開きにくくなるため、早めにドアや窓を開けて車の外に脱出しましょう。

また、車外と車内の水位が同じくらいになると水圧が同じになってドアが開くこともあるため、逃げ遅れた場合は焦らず冷静に対応することが大切です。いざというときに備え、車用緊急脱出ハンマーを備えておくとよいでしょう。


引用:国土交通省「危険! 水没車両すぐに脱出を」

冬の注意点

冬に多い災害として大雪が挙げられます。運転中に大雪で視界が悪くなったり、走行が困難になったりした場合は、追突事故を防ぐためにハザードランプをつけて路肩に駐車しましょう。

情報がなく身動きが取れない時は、国土交通省の道路緊急ダイヤル「#9910」に連絡し、目の前で事故が起きるなど状況が悪化しているときは警察に連絡を入れます。

また、雪でマフラーが塞がってしまうと、排気ガスが逆流して一酸化炭素中毒のリスクが高まります。車が雪に埋まってしまった場合は、エンジンを切りましょう。また、マフラーが雪に埋まらないように、冬季はスコップや軍手を車に積んでおくことも必要です。

車内にとどまってエンジンをかけていると寝てしまうこともあるため、一酸化炭素中毒に備えて窓ガラスを少し開けておくようにしましょう。風が吹きつけない窓ガラスであれば、冷たい風や雪が車内に入ってくるのを防げます。

ただし、窓を開けていても絶対安全とは言えません。向きや窓の開度などの条件によっては、窓を開けていても閉めているときより 一酸化炭素中毒の危険性が高くなることもあるため注意が必要です。

車内の被災時に困ること

車の運転中に災害に巻き込まれると身動きが取れなくなり、車での避難が数日~数時間に及ぶようなこともあるでしょう。

車内での被災が長期になると、以下のような問題が生じます。

・トイレ

・飲食

・バッテリー

・ガソリン

・体調

トイレや空腹、のどの渇きなどは生理現象として必ず起きるもので、特に食料や水分が不足することは命の危機にも直結します。

災害時の情報手段としてスマホや車のラジオ、テレビなどがありますが、バッテリーやガソリンが切れてしまうと情報を得ることができません。

ガソリンは、車内の温度調整をするために欠かせないもので、切れてしまうと低体温症のリスクなどが高まります。

また、車中生活が長くなると健康面でのリスクにも注意しなければなりません。ストレスによる心身の不調だけでなく、エコノミー症候群によって命を落とす可能性もあります。

エコノミー症候群は食事や水分が十分に取れない環境で、狭い座席に長時間座って同じ姿勢を取ることで血行不良が起こり、血液が固まって肺塞栓を引き起こすこともある怖い病気です。

車内での避難が長くなる時は、こまめな水分補給を心がけ、足や体を動かしエコノミー症候群を防ぎましょう。

関連記事: