車に常備すべき防災グッズ|季節別の注意点も解説

車に積んでおくべき防災グッズ


写真:PIXTA

車内で被災した時に備えて、車に防災グッズを積んでおくことをおすすめします。

特に「車がないと生活しにくい地方に住んでいる」「通勤や通学などで車を使う機会が多い」「駅から離れたところに住んでいる」などに該当する方は日頃から車に乗る機会が多いため、災害に巻き込まれた時を想定し備えることが必要です。

また、ペットや小さい子どもがいる家庭で災害が起きた時に車中泊で過ごすことを想定している場合も、防災グッズの備えは必須といえるでしょう。

ここでは、車に積んでおきたい防災グッズを5点紹介します。

保存食・保存水

保存食や保存水は命を維持するために必要です。救助体制が整うと食料や水も届きますが、それまでには3日間ほど要することもあります。そのため、車内に3日間分の保存食や保存水などを用意しておきましょう。

保存水は1日1人3ℓが望ましいですが、車内スペースによっては難しい場合もあるため、空きスペースに応じて備えましょう。

また、保存水は2ℓのような大きなボトルではなく500mℓ程度の小さなボトルを用意すると、小さい子どもでも飲みやすいほか、トイレや飲料用などに分けて使えるため便利です

保存食は暑さに強く傷まない缶詰や、車載用非常食として販売されているものを選ぶとよいでしょう。

保存食や保存水には消費期限が設けられています。積みっぱなしにするのではなく、定期的にチェックし、必要に応じて買い替えましょう。

簡易トイレ

車内での被災で困るのはトイレです。被災した時に近くにトイレがあるとは限らず、あったとしても水が使えない可能性もあるため、簡易トイレも備えておきたいところです。

簡易トイレには、「組み立て式」「便器設置式」「携帯式」などあります。車に積んでおく場合は便器がなくても使用できる組み立て式や携帯式で、消臭効果がある凝固剤や防臭剤がついているタイプを選びましょう。

1日にトイレに行く回数は平均5回程度のため、1人あたり3日分(15回分)の簡易トイレを用意しておくと安心です。

アルミシート(防寒)

防寒対策としてアルミシートを積んでおきましょう。その中でも特にお薦めなのは、薄手の保湿素材で作られたエマージェンシーシートです。防水性や防風性、防寒性の機能があるエマージェンシーシートを体に巻き付けブランケットとして使用できます。

ポリエステルのフィルム素材なので、軽量で持ち運びにも便利です。サイズも小さくポケットティッシュサイズでも、広げると大人一人をくるめるくらいの大きさになります。

車中用のエマージェンシーシートを選ぶ時は、できるだけ小さく軽量なものをお薦めします。備える数については、車に乗ることが想定される最大人数や家族の人数を目安にし、1人1個用意しておきましょう。

キャンピングチェア

車中避難が必要な場合、狭い車内の空間で同じ体勢を取り続けることでエコノミー症候群のリスクが高まります。

エコノミー症候群を防ぐため、日中は歩いたり、適度に体を動かすことが大切です。その際、気軽に座れるキャンピングチェアがあると便利です。キャンピングチェアは車内スペースを大きく占有しないコンパクトなものを選びましょう。

手回し充電器

災害時は情報収集の方法としてスマホが欠かせません。車ならシガーソケットやUSBに充電器を差し込むことで充電できますが、ガソリンがなくなってしまった場合のことを想定し、手回し充電器を備えておくと安心です。

手回し充電器はハンドルを回すことで充電ができるので、充電切れになっても何度も繰り返して使えます。ライトやラジオが一体化しているタイプなら、1つ買えば防災グッズを増やさずに済みます。

一方で、手回し充電器は充電スピードが遅いため、時間と体力を消耗しやすいデメリットもあります。フル充電したモバイルバッテリーや小型のポータブル電源もあわせて用意したり、ソーラーで充電できるアイテムなどを検討してもよいでしょう。

まとめ

いつどこで発生するかわからない災害に備えるためにも、自宅や職場だけでなく車にも防災グッズを用意しておきましょう。

備えて終わりではなく、保存食や保存水などは消費期限の定期チェックが必要です。

今回ご紹介した防災グッズ以外にも、家族構成やペットの有無によって災害時に必要なものが異なります。防災グッズを用意するときは、何が必要になるか家庭で話し合いリストアップしましょう。

本記事を参考に、車に乗っている場合に被災した際の防災対策も考えてみてください。

〈執筆者プロフィル〉

田頭 孝志

防災アドバイザー/気象予報士

田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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