『ステージ4の子宮体がん』闘病体験をYouTubeで発信する理由「検診を受けないのは時間がもったいない」

『ステージ4の子宮体がん』闘病体験をYouTubeで発信する理由「検診を受けないのは時間がもったいない」

初経から生理不順、でも元気だから「自分は病気にならない」と思っていたら、大量出血と強い吐き気の末に「ステージ4の子宮体がん」が発覚したヒダノさん。ご自身のYouTubeチャンネルでは、子宮体がんの経緯を細かく記録・発信することで多くの人に勇気と元気を与えています。「時間がもったいないから、定期的に検診を受けてほしい」と語る理由はなんでしょうか? 「子宮体がん」発症の経緯から治療、現在の活動について詳しくお話を聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年1月取材。

体験者プロフィール:
ヒダノ マナミ

新潟県在住の36歳。29歳の時に子宮体がんステージ4と告知。地元新潟でAYA世代コミュニティの副代表。YouTubeチャンネルでは、子宮体がんの経験をもとに多くの人へ勇気を与えるメッセージを発信している。(YouTube / Instagram)

記事監修医師:
鈴木 幸雄(産婦人科専門医・婦人科腫瘍専門医)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

大量の出血と強い吐き気 異変は一年前から始まっていた

編集部

ヒダノさんの病気が発覚するまでの経緯を教えてください。

ヒダノさん

中学生の時に生理が初めてきて以来、大人になってもずっと生理不順でしたが、当時は生理不順を気にせずに過ごしていました。27歳の時に薄い茶色の出血が毎日あったのですが、もともと生理不順だったこともあって大丈夫だろうと思い、1年ほど放置していました。結婚をきっかけに子どもが欲しいと思い、産婦人科を受診した際に薄い血について相談したところ、漢方薬で対処することになりました。ですが、その時同時に子宮の中にポリープを発見したんです。そこで子宮頸がん検査をしたのですが、異常なしだったので経過観察でした。

編集部

そうなのですね。それから体調にどのような変化がありましたか?

ヒダノさん

通院を始めて半年ほど経ったある時、生理のタイミングで突然の大量出血と強い吐き気に襲われました。生理が終わってある程度落ち着き、その一カ月後にまた生理が来ると、再び大量出血と嘔吐です。夜寝ていても途中で目が覚めるほどの出血感覚と吐き気が起こり、さすがにおかしいと思って救急車で病院へ行きました。その後、別の病院を受診し、その病院の先生から「すぐに大学病院へ向かうように」と指示され、言われるがまま大学病院に向かい、検査を受けると「念のために入院しましょう」と言われました。

編集部

かなりバタバタとされたのではと思います。それから大学病院でどのようなお話がありましたか?

ヒダノさん

当時は貧血気味だから入院した方が良いといわれ、5日間ほど入院しました。退院後、先生から電話があり、家族と一緒に来るように言われました。そして、先生から「あなたは子宮体がんで、ステージ2もしくは4です。手術をします」と告げられました。体調がいつもと違うと感じてから一年以上経ってからの出来事でした。

編集部

自覚症状について教えてください。

ヒダノさん

毎日続く茶色い出血から始まり、大量出血と強い吐き気が目立った自覚症状です。今振り返ると、当時はすごく疲れやすく、例えばショッピングセンターなどで歩いて買い物をしても疲れて、ちょっと座って休んでいました。

「自分は大丈夫」と思い込んでいた。手術までの辛い日々

編集部

診断を受けた時、どのようなお気持ちでしたか?

ヒダノさん

自分はがんのような大きな病気をするとは思っていなかったです。「自分は大丈夫」と思い込んでしまったばっかりに、ショックが大きかったですね。

編集部

では、診断を受けてからどのように治療を進めていくと言われましたか?

ヒダノさん

いろいろあり手術は一カ月後になりました。その一カ月はとても辛かったですが、病気が急激に進行することはなく、普段通り仕事もしていましたね。

編集部

お仕事に戻られたのですね。特に体調は問題なかったのでしょうか?

ヒダノさん

そうですね、告知前とそこまで体調は変わりありませんでした。一方で、やっぱり気持ちの面は落ちていたので、裏方の仕事をさせてもらっていました。手術を待っている間の一カ月間が辛く、嘔吐や蕁麻疹などもあって明らかにストレスを感じていましたね。あえて仕事に行って紛らわせていました。

編集部

確かに、病気と分かっていながら治療に着手できないのは辛かったと思います。では、それからどのように手術を迎えましたか?

ヒダノさん

まず、手術の際に大量出血が起こる可能性もあるので、それに備えて自己血採血というものを週に1回、それを3週分行いました。それから、がんの場所をより明確にするためにPET検査、CT検査、MRI検査をして、手術の方法を先生と相談しました。背中には注射・点滴をしましたし、肺と心臓の検査もして当日の手術を迎えました。

編集部

すごいいろんな準備をされたのですね。

ヒダノさん

準備の大変さよりもメンタル面が辛かったので、乗り越えられた気がします。注射が大の苦手なので、自己血採血をするときに主治医に一緒にいてもらっていました(笑)

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