春の睡眠トラブルを防ぐ3つのポイント「光を浴びる」「足首を温める」「足マッサージ」とは?

春先に感じる眠気や寝つきの悪さ。春は環境変化が大きく、疲れを感じる人も多い時期でもあります。今回は、心身をリセットして春の朝をすっきり起きるための方法を、作業療法士の菅原洋平先生に聞きました!

なんだか眠い、だるい、疲れる。春の体調は「睡眠」に左右される!?

春先、気だるさや眠気を感じると、環境変化によるストレスだと思う人も多いはず。睡眠のメカニズムに詳しい作業療法士の菅原先生に聞くと、春の睡眠トラブルは人の生体リズムの変化が関係しているといいます。

「春は生体リズムの変化時期。気圧が低下し高温になる春夏に向けて、身体は負担を減らすために副交感神経の活動を高めます。そのスイッチとなるのが甲状腺刺激ホルモンのTSHβ。俗に春ホルモンと呼ばれるものですが、これらは春前の2月頃、日の出の時間が早まることで脳に信号が送られ分泌されます。春ホルモンの影響を受けて、身体は春夏の気候に合った状態に変化していきます」

春ホルモンと睡眠トラブルの関係

日の出時間の変化で分泌される春ホルモンは、気温上昇に向けて身体を準備していきますが、2月頃はまだ寒い時期。目覚めてからすぐに窓際に行ったり、外に出るといったことも少ないのでは。

「日の出のリズムに合わせて光を浴びていないと、生体リズム変更の信号が発信されません。当然春ホルモンの働きも遅れ、気温上昇にむけた身体の準備がされないまま、春を迎えてしまいます。すると身体は急激な変化にさらされることに。春夏の低気圧/高温に合わせて急激に副交感神経の活動が高まるので、ぼんやりとしたり強い眠気に襲われたり。日中に眠くなってしまい夜に眠れないなどといった睡眠のトラブルが出てくるのです」と菅原先生。

ミスマッチを起こしやすい!?春の身体と生活環境

もちろん、春の生活環境の変化による影響も睡眠には関係するそう。

「進学や就職などで大きな変化を迎える春は、そもそもストレスが溜まりやすい時期。生活の変化に適応するためにはテンションを上げてのぞまないといけません。生体リズムが副交感神経の影響で低活動に入っているときに、交感神経を上げている状態なので、身体としてもミスマッチが起こりやすい。また日中に無理やり上げた交感神経がなかなか鎮まらず、結果寝つきの悪さにつながることも」

では眠りの質を良くして疲れを取り、めまぐるしい環境変化に適応するためには、何が必要なのでしょうか?

睡眠の質を確認!簡単・睡眠チェックシート

睡眠の改善には、まずは睡眠の質をチェックすることが先決。
以下のチェックシートで、自分の睡眠の状態を確認してみましょう。

睡眠の専門家・菅原先生監修!「簡単・睡眠チェックシート」

就寝前にあくびが出るほどの眠気がない
起床から4時間ほど経つと眠くなってくる
休日と平日の起床時間が3時間以上ずれている

上記3点に1つでも当てはまる場合は、睡眠の質が下がっている可能性があります。春以降、さらに睡眠の質が低下しないよう、注意が必要かもしれません。

そもそもどうしたら人は眠くなるの?

菅原先生によると、人が適切に入眠するためには、4つの条件が必要だといいます。

必須!眠るための4条件

① 朝の光を浴びてから16時間経っている
② 睡眠物質が脳内に溜まっている
③ 深部体温(内臓の温度)が、下がっている
④ 副交感神経が優位になっている

人が寝付くためには、まず、朝の光を浴びてから16時間以上経っていること。また、脳内に神経活動を鎮静させる睡眠物質が溜まっていることも必要です。睡眠物質は30分以上昼寝をすると分解されてしまいます。十分に溜まった状態で就寝時間をむかえなければ、眠気はおとずれません。

よく聞く「深部体温の低下」、「交感神経から副交感神経へのスイッチ」も必要!

「人の深部体温は、起きてから11時間後に最高値になりその後下がっていきます。この急激な体温の低下が入眠に必要ですし、入眠時には、活動中心の交感神経から身体を休める副交感神経にスイッチしている必要があります」

睡眠を改善し、良い眠りを迎えるためにできることはあるのでしょうか?

関連記事: