【世界初】「全身性エリテマトーデス」発症メカニズムを一部解明 新たな治療法に期待

【世界初】「全身性エリテマトーデス」発症メカニズムを一部解明 新たな治療法に期待

今回の研究内容への受け止めは?

京都大学らによる研究グループが発表した研究内容への受け止めを教えてください。

甲斐沼先生

今回の研究結果では、直鎖状ユビキチン鎖(直鎖)を生成することで免疫細胞の活性化に重要な役割を果たす複合体ユビキチンリガーゼLUBACが、全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群の発症に関わることを明らかにしました。

「直鎖状ユビキチン鎖」は、もともと免疫応答に中核的に機能するシグナル伝達系であり、本研究ではマウスにおいてHOIL-1L酵素欠損が直鎖状ユビキチン鎖の生成亢進を介して全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群に関連する症状を発症することが判明しました。

ヒトにおいてLUBACの酵素活性を亢進させるHOIL-1L遺伝子の1塩基変異(SNV)が SLE患者で有意に集積する疾患感受性遺伝子であることが研究チームによって同定されました。よって、直鎖状ユビキチン鎖の生成亢進による炎症シグナルの活性化が全身性エリテマトーデスの発症に繋がる可能性を示し、今後LUBACを標的とした全身性エリテマトーデスに対する治療薬の開発が期待されます。

まとめ

京都大学らの研究グループは、直鎖状ポリユビキチン鎖生成酵素(LUBAC)の機能亢進が全身性エリテマトーデスの発症に関わることを明らかにしたと発表しました。本研究で得られた成果は世界初となります。研究グループは「LUBACの機能を阻害することができれば全身性エリテマトーデスの新規治療につながる可能性があると考え、LUBAC阻害剤の開発に向けて着手している」と述べています。

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