「胃ポリープが出来やすい人」の特徴や食生活はご存知ですか?医師が解説!

「胃ポリープが出来やすい人」の特徴や食生活はご存知ですか?医師が解説!

胃ポリープが出来やすい人の特徴とは?Medical DOC監修医が胃ポリープが出来やすい人の特徴・食生活・治療法・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

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監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「胃ポリープ」とは?

胃ポリープは、胃の粘膜表面から飛び出した小さなこぶのことです。胃ポリープは、主に胃底腺ポリープ、過形成性ポリープ、腺腫性ポリープの3種類に分けられます。多くの場合は、過形成性ポリープと胃底腺ポリープですが、その他にもさまざまな胃ポリープがあるとされています。この記事では代表的な胃ポリープから、胃ポリープの原因やその治療方法についてまでを解説します。

胃ポリープの種類

胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープは、周りの粘膜と同じような色調の2~3mm程度の小さなポリープです。近年胃食道逆流症(GERD)などでプロトンポンプ阻害薬を飲んでいると、胃底腺ポリープが大きくなったり、数が増えたりするという報告もあります。胃底腺ポリープでのがんの発生例も報告されていますが、その頻度はきわめて低いので心配する必要はないとされています。多くの場合、無症状です。

過形成性ポリープ

過形成性ポリープは、胃粘膜上皮の過剰な増殖による良性の胃ポリープです。胃粘膜のどの部位にも発生する可能性があり、一般的に赤色をしています。大きさもさまざまで、数ミリから数センチ程度のものまで観察されます。単発で発生することもあれば、複数個認めることもあります。過形成性ポリープの発生には、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染による慢性的な胃粘膜の炎症が大きく関与していると考えられています。多くの場合、無症状です。しかし、大きくなると、胃の痛み、吐き気、嘔吐、出血などの症状を引き起こすことがあります。

腺腫性ポリープ

胃の腺腫性ポリープは、一般的に「胃腺腫」と呼ばれています。胃腺腫は、白っぽくこぶのような形をしています。胃ポリープと似ていますが、胃ポリープは外部からの刺激によって細胞の堆積が増えるのに対し、胃腺腫は上皮細胞という細胞が変化している状態(異型上皮)で構成されています。胃腺腫の多くは良性ですが、一部はがん化することもあるため、胃腺腫は前癌病変とされています。

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