緊急地震速報のアラートが鳴った! どう対応したらいい?


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2024年1月1日に発生した能登半島地震では、揺れによる建物の倒壊や地割れ、大規模な地殻変動や大津波が発生するなど、大きな被害をもたらしました。

地震はいつどこで発生するのか、どんな被害が発生するかを正確に予想することはできませんが、大きな地震が来る直前に「緊急地震速報」のアラームが鳴ることがあります。

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速報後に「何らかの行動を取った」人が約6割

気象庁が実施したアンケートによると、緊急地震速報を見聞きした際に全体の60.3%の人が何らかの行動を取ったという結果が出ています。

その際、「子どもや家族など身近な人を守ろうとした」「安全と思う場所に移動した」「周囲から倒れてくる物がないかを確認した」など、実際に身を守る行動を取った人が多く、緊急地震速報の重要性や必要性を再認識する結果となりました。

地震から身を守るためには、緊急地震速報を見聞きした際にいかに安全の確保ができるかが重要です。

この記事では、緊急地震速報の概要とアラートが鳴ったときに取るべき行動を紹介します。

緊急地震速報とは?

緊急地震速報とは、地震の発生直後に震源に近い地震計でとらえた観測データを素早く察知して、震源や地震の規模を推定し、到達時刻や震度、長周期地震動を予想して知らせるものです。

P波とS波が伝わるスピードの差を利用

地震が発生すると、秒速約7kmのP波(初期微動)と秒速約4kmのS波(地震のメインの大きな揺れ)が波となって地面を伝わってきます。

P波の方が主要な揺れであるS波よりも早く伝わることから、P波を察知した段階で緊急地震速報を出し、その後のS波による大きな揺れに備えるというものです。

緊急地震速報が発表されてから地震が起こるまでの時間は数秒~数十秒程度と極めて短く、場合によっては間に合わないこともあります。しかし、このわずかな時間でも瞬時に身構えることや、避難行動を取ることで命を守れる可能性があります。

緊急地震速報のアラートが鳴ったときに取るべき行動


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緊急地震速報のアラートが鳴った時は、周囲の状況に応じて、あわてずに身の安全を確保することが基本です。

なお、緊急地震速報のアラートは、NHKが開発したテレビやラジオで鳴るチャイム音、NTTが開発した携帯やスマホで鳴るブザー音、特定非営利活動法人REICが開発したアプリやシステムで使われるREICサイン音などがあります。

屋内の場合 頭を保護し、安全な場所に避難

屋内では頭を保護し、丈夫な机の下など安全な場所に避難します。あわてて外に飛び出したり無理に火を消そうとしたりすると危険です。火を消すなどは、揺れが落ち着いて安全の確保ができてから行いましょう。

日頃から地震の揺れに備え、寝室や居間など室内のよくいる場所に「物が落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」安全スペースを作っておくことが大切です。

また、エレベーターに乗っている最中に緊急地震速報のアラートが鳴ったときは、最寄りの階で停止させてすぐに降りましょう。

屋外の場合 倒壊する物から離れ、周囲をよく確認して移動

屋外では倒壊の可能性があるブロック塀や自動販売機、建物からできるだけ離れ、頭上に危険がないか確認しましょう。山やがけ付近では落石やがけ崩れが起こる可能性があるため、周辺をよく確認しながら離れます。

車の運転中は、あわてずにハザードランプを点灯し、急ブレーキをかけずに、ゆるやかに速度を落としましょう。

ショッピングモールや人が集まる施設にいる場合は、周囲の安全を確認しながら施設の係員の指示に従います。

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