子ども×生き物=? 生き物愛を育てよう

子ども×生き物=? 生き物愛を育てよう

子ども×生き物=?
生き物愛を育てよう
子ども×生き物=?
生き物愛を育てよう

子どもに「ペットを飼いたい」と言われたことはありませんか? でも、きちんとお世話ができるのか気になりますよね。
そこで読者の皆さんに、ペットを飼って良かったことと大変なこと、リアルな体験談を聞きました。

成長とともに、
命の大切さを理解
ペット:ミニーちゃん(パンダマウス)
飼い主:埼玉県・下間麻衣さん一家
飼って良かったこと
生き物のかわいさや尊さ、お世話の大切さ、家族の一員であることなどを、日々の生活の中で学ぶことができ、子どもたちの成長を感じます。
大変なこと
以前、子どもたちがお世話していたパンダマウスが老衰で亡くなりました。死を迎えることを含め、命を預かる尊さは、経験してみないと分からないこと。子どもたちは「死んだ後はどうなるの?」という疑問から、今を大切にしなければならないこと、この一瞬一瞬が思い出になることを少しずつ理解してくれていると思います。この経験も、今では良い思い出として語れるまでになりました。

猫は子育てを見守ってくれる
癒やしの存在
ペット:はこねちゃん(猫)
飼い主:東京都・森梨花子さん一家
飼って良かったこと
娘は生まれた時から猫と一緒。小さい頃からどんな動物、昆虫にも興味を持っていて、好奇心旺盛に関わることができます。子どもたちが風邪でしんどい時や、夜泣きをした時には猫がそばに来てくれて、親子共に助けられました。気付いたらそばに来てくれる、家族みんなにとって癒やしの存在です。
大変なこと
帰省の際に新幹線に乗せる時、長時間ケージに入れて移動するのでストレスがかかります。特にトンネルでは、耳が痛いのか鳴いてしまいます。そんな時は、子どもがケージに手を入れて優しくなでてやると落ち着きます。

日々のお世話を通して、
想像力が育まれる
ペット:サクラくん(インコ[緑])、ルナちゃん(インコ[青])
飼い主:兵庫県・新見美里さん一家
飼って良かったこと
息子は、朝どんなに眠くても寒くても、時間には頑張って起きてご飯をあげています。口のきけない生き物たちにも「おはよう」「ただいま」などと声を掛けたり、気持ちを想像してみたり…。お世話を通して命に興味を持ち、命をいただく食事を無駄に残さない意識が芽生えてきました。
大変なこと
幼稚園から帰ってきたら、インコのほかにも飼っている犬や金魚までが一斉に出迎え。息子が靴を脱ぐが早いか、犬がじゃれつき、金魚たちは水槽の一番近い角に集まってバシャバシャ、インコたちは制帽の上に…。これが10分くらい続きます。

どんな生き物とも
喜んで触れ合える
ペット:チェスくん(犬[白黒])、モコちゃん(犬[白])
飼い主:神奈川県・良波瑞穂さん一家
飼って良かったこと
動物に対する恐怖心がなく、2歳でポニー乗馬やふれあい動物園などに怖がらず参加! 娘はヘビを首に巻くことも抵抗なく楽しんでいました(笑)。また犬と散歩していると、すれ違う人と犬を通じて話すことができるので、コミュニケーション力も育まれると思います。
大変なこと
娘は雪の積もる新潟で産まれました。退院した次の日から雪の中でも犬の散歩へ行き、息子の妊娠中は5分の道のりを30分かけて歩くなど、毎日本当に大変でクタクタ。ですが思い返すと、子どもたちの成長や流れゆく季節を感じられる良い時間だったなと思います。

動物の気持ちに寄り添って
お世話できる
ペット:ぶちこちゃん(ウサギ)
飼い主:大阪府・山田美緒さん一家
飼って良かったこと
息子は産まれた時からウサギがいるので、成長と共にかわいがる気持ちが大きくなっているのがよく分かります。大切に扱わないと相手は嫌な気持ちになることを家のウサギで学びました。最近では、ご飯をあげるなどのお世話が生活習慣になっています。
大変なこと
温度&湿度管理が大変です。それから、外泊時にホテルに預ける時、犬や猫のペットホテルだとウサギは怖がるらしく、わが家はウサギ専門店にお世話になっています。少し遠いのが難点です。

優しく触れて
一緒に成長
ペット:あんちゃん・クリームちゃん(烏骨鶏)、クロくん(猫)
飼い主:埼玉県・櫻井玲子さん一家
飼って良かったこと
烏骨鶏は息子が赤ちゃんの時からいるので、一緒に大きくなった感じ。かなり羽が伸びて、放っておくと目が隠れるので、息子を散髪するのと同じようなタイミングで、烏骨鶏も散髪します。息子は鳥を肩に乗せるのが好きですが、烏骨鶏は重いので膝に乗せて触れ合います。小さな命と触れ合う時は、優しくそっと触ることを学びました。
大変なこと
最初はペットの触り方なども遠慮なしで、ハラハラしました…。子どもに構う時間が増えた分、動物と触れ合う時間が減ってしまった点が悩ましいです。

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「飼育を通して、命を学ぶ
家族とペットが幸せに暮らすことで
子どもは大きく成長する」

飼育を通して、命を学ぶ
家族とペットが幸せに暮らすことで
子どもは大きく成長する
飼育を通して、命を学ぶ
家族とペットが幸せに暮らすことで
子どもは大きく成長する

在宅時間が長かったコロナ禍を経て、ペットを飼う家庭が増えたといわれています。ペットの飼育は、子どもの発達に良いと耳にすることもありますが、心配な点もありますよね。日本獣医生命科学大学教授の濱野佐代子さんに、子どもと一緒にペットを育てるメリットや飼う前に考えるべきこと、実際に飼育する時の注意点などを教えてもらいました。

イラスト/てづかあけみ

お話を聞いたのは… 濱野佐代子さん
日本獣医生命科学大学教授。博士(心理学)。獣医師、公認心理師、臨床心理士。発達心理学や人と動物の関係学が専門で、アニマルセラピーやペットロスなどを研究。著書に「人とペットの心理学」(北大路書房)、「新 乳幼児発達心理学〔第2版〕」(分担執筆、福村出版)などがある。

ただ“飼う”のではなく
愛情のある関係が大切
ペットのいる生活は、子どもの発達にさまざまな良い影響を与えますが、ただ飼えばよいのではなく、愛情や信頼のある関係性が必要です。年齢に合った範囲で、お世話を手伝うことで責任感が養われたり、言葉の通じないペットの様子を毎日見ることで、観察力が磨かれたり…。相手の気持ちを推し量る力や、自分より弱いものを守ろうとする力も育まれます。また、ペットを抱っこしたり、なでたりすると、癒やしの効果も。ペットから受ける無条件の愛情は、子どもの心のよりどころになってくれるかもしれません。さらにペットには、人と人をつなぐ力があります。家族の絆が強くなったり、ペットを介して近所付き合いが生まれたり、結果的に子どもの心の発達に良い生活環境になるのです。
子どもとペットが良い関係を築くには、大人の関わり方が大切です。子どもは親の行動をよく見ていますから、乱暴に扱わないのはもちろん、しっかりと動物の生態を学び、愛情を持って飼育しましょう。そうすれば、子どもはお手本にしてペットをかわいがるのではないでしょうか。

最期まで大切に飼えるか
家族みんなで話し合いを
ぺットを家に迎えるには、事前の準備が重要です。どんな生き物で、どんな世話や飼育環境が必要になるのか、最期まで大切に飼えるのか…、家族でよく話し合ってください。未就学の子どもにとって「死」をすぐに理解することは難しいと思いますが、もし途中で捨ててしまったらペットは生きていけないこと、たった一つの命であることなどをお話してみてください。
子どもが「飼いたい」と言っても、お世話の最終的な責任はパパ、ママにあります。子どもの希望や飼いやすさだけで選ばずに、家族みんなが納得し、飼育に責任を持てるペットを選びましょう。大好きなペットとの毎日は、かけがえのない時間になると思います。

子どもと楽しく安全に
ペットを飼うために
飼育中のトラブルや事故を未然に防ぎ、子どももペットも家族の一員として楽しく安全に暮らすためのポイントを濱野さんに聞きました。

Point1
子どもと一緒に生き物の習性を理解しよう
子どもの動物との接し方にヒヤリとすることもありますよね。生き物によって、喜ぶこと、嫌がることは違います。まずは大人が学び、「急に手を出さないで」、「触ったら手を洗おう」などと、子どもに伝えましょう。もし関わりが難しい場合は、無理に仲良くさせるのではなく、時間をかけて見守りを。餌やりなどを子どもに手伝ってもらい、ペットにとってうれしい時間を一緒に過ごすのはおすすめです。動物についての情報収集は、信頼のおける情報源かを確認しましょう。

Point2
できる範囲で子どもに手伝ってもらおう
餌を準備したり、掃除をしたり、大人と一緒に犬の散歩をしたり、子どもがペットの世話に参加できると、「できた!」という達成感ややりがいにつながります。小さい頃からその年齢にできる範囲で関わっていくと、成長と共にできる世話が増えていくでしょう。ただし注意したいのは、子どもとペットだけにしないこと。かまれるなど万が一の事故を防ぐために、世話する時や触れ合う時は、必ず大人が見守りましょう。

Point3
ペットが亡くなったら、子どもに寄り添って
子どもの年齢にもよりますが、「自分のせいで死んじゃった」などと死因と関係なく自分を責めることがあります。亡くなったことを隠さず、配慮しつつ子どもの分かる範囲で死因などの事実を説明してあげましょう。また、大人が子どもと一緒に悲しむことも重要です。埋葬する、葬式をするなど、各家庭の希望に沿った方法で弔い、「さようなら」をする機会を作りましょう。未就学児が死を理解することはまだ難しいとする研究もありますが、感じ取ることはできます。ペットの死に遭遇し、悲しみ、乗り越える経験が、命の大切さを実感するきっかけになることでしょう。

大切に飼うために知っておきたい
犬&猫の年間飼育費用(目安)

● 食費(おやつ・サプリメント含む) 7万7086円
● 病院代(治療費、ワクチンなど) 10万1521円
● そのほか(トリミング料、日用品など) 17万8746円
合計 35万7353円/年

● 食費(おやつ・サプリメント含む) 5万2203円
● 病院代(治療費、ワクチンなど) 4万4642円
● そのほか(トリミング料、日用品など) 6万3921円
合計 16万766円/年

出典:アニコム損害保険株式会社「2022年ペットにかける年間支出調査

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