「前立腺がん」の治療法はご存じですか? 種類やそれぞれの比較も医師が解説!

「前立腺がん」の治療法はご存じですか? 種類やそれぞれの比較も医師が解説!

監修医師:
伊藤 祐二郎(たまプラーザいとう泌尿器科)

慶應義塾大学医学部卒業。その後、さいたま市立病院初期臨床研修医、慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室、立川病院、けいゆう病院などに勤務、東京歯科大学市川総合病院泌尿器科助教を務める。2021年、神奈川県横浜市に「たまプラーザいとう泌尿器科」を開院。医学博士。日本泌尿器科学会専門医・指導医。日本癌治療学会、日本性感染症学会の各会員。

編集部

前立腺がんの治療法には、どのような種類があるのでしょうか?

伊藤先生

基本的に、「手術療法」「放射線療法」「ホルモン療法」「化学療法」の4種類があります。どの治療法を選択するかは、患者さんの状態や年齢、病歴などを総合的に考えて決定します。

編集部

それぞれの治療法について、説明をお願いします。

伊藤先生

まず手術療法では、通常、前立腺を全て取り除く「前立腺全摘除術」をおこないます。以前は開腹しておこなう手術が一般的でしたが、近年では「腹腔鏡手術」や「ロボット手術」などもおこなわれるようになり、従来よりも低侵襲な手術が可能となりました。

編集部

手術療法では、前立腺を全て摘出してしまうのですか?

伊藤先生

以前は、全部摘出するのが一般的でした。しかし近年は、まだあまり進行していない初期の状態であれば、さらに低侵襲の治療として局所の「焼灼療法」が可能となり、全摘出しなくて済むケースもあります。

編集部

放射線療法とは、どのような治療ですか?

伊藤先生

放射線療法は高エネルギーのX線や電子線を患部に照射し、がん組織を死滅させることを目的におこなわれます。放射線療法には、体の外側から前立腺に放射線を当てる「外照射療法」と、前立腺に放射性物質を留置して体内から照射する「組織内照射療法」があります。

編集部

ほかの治療法についてはいかがでしょうか?

伊藤先生

前立腺がんは男性ホルモンの刺激が誘因となって病気が進行するという特性があります。そのため、ホルモン療法では男性ホルモンの分泌や働きを妨げる薬を使用することでがんを抑制していきます。また、化学療法では、注射、点滴、内服などをおこなうことで、がん細胞を小さくしたり消滅したりすることを目指します。

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