ふたりめ不妊の原因は夫?!

ふたりめ不妊の原因は夫?!

第2回 実は悩んでる?ふたりめ不妊
不妊治療をスタートするために、まず検査が必要です。どのような検査があるのでしょうか。

ふたりめ不妊の原因は夫?!

●検査は、女性の検査、男性の検査の両方

月経中に行う検査は、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、プロラクチン(PRL)など卵巣の機能を調べるための血液検査などを行います。月経終了から排卵までに行う検査は、卵管が詰まっていないかを調べる子宮卵管造影検査を行います。排卵時期には、頚管粘液(精子が子宮内に入りやすい環境を作る粘液)検査、超音波検査、黄体期中期に黄体ホルモン(受精卵を育てる環境を作るホルモン)検査、子宮内膜環境の検査などを行います。時期にかかわらず、卵胞から分泌されるホルモン(抗ミュラー管ホルモン)検査、そのほかHIVや、B型肝炎のスクリーニング、風疹ウィルス抗体やクラミジア抗体、トキソプラズマ抗体検査なども行われます。
男性は、精液検査、抗精子抗体(精子に対する抗体が強くないかを調べる)検査などの検査を行います。

●不妊の原因の約半数が男性側のもの

不妊治療を始めるにあたって、検査をして現状を把握し、原因を特定することが重要です。女性だけが検査をしても、男性に原因があることもありますから、女性と男性が一通りの検査をして原因を特定することで、適切な不妊治療を始めることができるというわけです。
 不妊の原因のほとんどが、子どもを宿し、産む側の女性にあると思われがちですが、約半数が男性側の原因によるものです。不妊治療は長期間にわたることもあり、また精神的および金銭的な負担もかかります。女性が先に受診して、不妊治療の途中から男性が受診するのは抵抗を感じることもありますから、最初から夫婦ふたりで受診して不妊治療のスタートラインに立つことが大切です。

監修/小田原靖先生
監修/小田原靖先生
ファティリティクリニック東京 理事長。医学博士。
臨床心理士によるカウンセリングも行っているクリニックでは、チーム医療で安心できる不妊治療を目指している。著書は『赤ちゃんがほしい!一歩すすんだ不妊治療』(講談社)ほか。
臨床心理士によるカウンセリングも行っているクリニックでは、チーム医療で安心できる不妊治療を目指している。著書は『赤ちゃんがほしい!一歩すすんだ不妊治療』(講談社)ほか。
文/高祖常子
文/高祖常子
育児情報誌「miku」編集長。
NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、認定子育てアドバイザーほか。叩かない子育て講座、子ども虐待防止や、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。3児の母。
NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、認定子育てアドバイザーほか。叩かない子育て講座、子ども虐待防止や、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。3児の母。