「家事をがんばらなきゃ」と思えば思うほど、まともにできない怠惰な自分を憎んで爪の皮をめくってしまう――。夫を朝送り出した後、15時まで二度寝してしまうズボラ主婦には、実はそんな悩みがあって…。それを解消すべく、掲げた夢は東大受験!? 『ただの主婦が東大目指してみた』（フォレスト出版）は、著者・ただっちが、自らの挑戦を漫画とテキストとともに描いた完全ノンフィクション。普通の主婦が東大生になるために奮闘する姿を描いた、笑いと涙の東大受験奮闘記をお届けします。
※本記事はただっち 著の書籍『ただの主婦が東大目指してみた』（フォレスト出版）から一部抜粋・編集しました。
私を離さないで（戸籍から） 4月某日
そんな優雅な生活を続けていた４月のある土曜日のこと……。
……うるさいなぁ。
この人、平日はみっちり働いて、どちらかというと睡眠不足で生活しているはずなのに、休日も早く起きれるんだよ。朝型人間ってやつ？ ああ、すごいねぇ。
朝から行動して、早く帰ってうちで夕食食べようって？ ねぇ、その夕食って私がつくるわけだよね。
あなたは朝から行動すると満足かもしれないけど、私は夕食の準備のことを考えながら行動するから倍疲れるよ。つくったあとには、お片付けもあるし、お風呂の準備もしなくっちゃいけないし。
……そもそも出発前に洗濯と掃除もしなきゃいけないし。子どもがいるならまだしも、専業主婦だから手伝ってとはなかなか言えないし。
とにかく嫌だよ、朝から動くなんて。
「うん、わかった」「あと１時間くらい寝ようかな」「はいはい」「ちょっと頭痛いから昼まで寝ていたいなぁ」……。
そんなふうに言い訳をしながら、たしか11時半くらいまで寝たかな。適当に睡眠時間を引き延ばして、のろのろ起きて、13時くらいにランチに行く流れを想定してたんだよね。
「ねぇ、ただっちさぁ、本当に行く気あるの？」
「あるに決まってるじゃん。 ……あと５分で起きるからちょっと待って。ほらアラームも設定したからさ」
そう言って、スマホのアラーム画面を夫に見せた。すっと起きたいのもヤマヤマなんだけど、私って低血圧で、ウィンドウズ98なみに、起動するまで時間がかかっちゃうんだよね。すまんな。
でも、これもいつも通りの流れ。やさしいやさしい夫は、私のこんなダメなところも察してくれ……。
「……いいかげんにしろよ……。はぁ」
配信： 毎日が発見ネット
