「喉が赤い」ときにやってはいけないことはご存知ですか?医師が徹底解説!

「喉が赤い」ときにやってはいけないことはご存知ですか?医師が徹底解説!

喉が赤いとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

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監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

「喉が赤い」症状で考えられる病気と対処法

ひとくちに喉が赤いといっても、どの部分に症状が出ているのか、熱や咳の症状が出ているのかなどによって原因や対処法が異なります。ここでは、症状別にどのような病気があるのかについて見ていきましょう。

喉が赤い症状で考えられる原因と対処法

喉が赤い症状が出ている場合、咽頭炎や咽頭結膜熱、溶連菌感染症などが考えられます。咽頭炎とはいわゆる喉風邪のことです。喉が赤い症状のほかに、喉の痛みや痰のからみ、発熱や頭痛などの症状が見られることがあります。咽頭の粘膜にウイルスや細菌が付着することが原因です。
咽頭結膜炎では、喉が赤い症状のほか、発熱や眼症状が見られます。病気の名前に「結膜炎」とつくことから想像がつくとおり、結膜炎も見られることが特徴です。プール熱とも呼ばれており、アデノウイルスの感染が原因で起こります。
溶連菌感染症は溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌に感染することで起こる病気です。喉に赤い発疹ができたり、発熱や喉の痛みがでたりします。イチゴのようなぶつぶつが舌にできることも特徴です。このような症状は大人でも見られますが、特に子どもでよく観察されます。
咽頭炎は耳鼻咽喉科を受診してください。
咽頭結膜炎は眼以外の症状もある場合は耳鼻咽喉科や小児科、症状が眼しかない場合は眼科を受診します。
溶連菌感染症は耳鼻咽喉科や内科、小児科などを受診してください。いずれの病気も緊急性はありませんが、溶連菌感染症は全身に発赤が広がる猩紅熱に移行する場合があるため、早めに医療機関を受診しましょう。

熱はないのに喉が赤い症状で考えられる原因と対処法

熱はないのに喉が赤い症状が出ている場合は、アレルギー性鼻炎が考えられます。アレルギー性鼻炎とは、アレルギーの原因となるアレルゲンを吸い込むことで起こるアレルギー反応の一つです。アレルギー性鼻炎には、スギ花粉やイネ花粉などを吸い込むことで起こる季節性アレルギー性鼻炎と、ハウスダストなどを吸い込むことで季節に関係なく起こる通年性アレルギー性鼻炎に大きく分けられます。季節性アレルギー性鼻炎とは、花粉症のことです。花粉症と聞くと鼻水や鼻詰まり、眼のかゆみといった症状を想像される方が多いかもしれません。しかし、喉に花粉が付着すると赤くなったり痛みが出たりすることもあるのです。アレルギー性鼻炎が疑われる場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。緊急性はありませんが、症状を早く楽にするためにも早めの受診をおすすめします。

喉が赤くてイガイガする症状で考えられる原因と対処法

喉が赤くてイガイガする症状がある場合は、喉が乾燥していたり刺激を受けている可能性があります。口呼吸をしていたり空気が乾燥している部屋に長時間いると、喉が乾燥してイガイガすることがあるのです。喉が乾燥する原因としては、ストレスや薬の副作用なども挙げられます。ストレスで喉が乾燥するのは、交感神経の働きが亢進して唾液の分泌量が減少するためです。大きい声を出す場合や香辛料のような刺激物を摂った場合も喉が赤くなってイガイガすることがあります。空気が乾くと喉も乾燥してウイルスや細菌に感染しやすくなるため、適度な湿度を保っておくことが大切です。また、刺激物の摂り過ぎには注意しましょう。喉の赤みやイガイガが気になる場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。

喉が赤くて咳が出る症状で考えられる原因と対処法

喉が赤くて咳が出る場合は、風邪(風邪症候群)やインフルエンザなどの原因が考えられます。風邪は、鼻や喉などの上気道にウイルスや細菌が感染することで起こります。原因のほとんどは細菌ではなくウイルスです。風邪の原因となるウイルスは200種類以上もあると言われています。インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症する気道感染症のことです。喉の赤みや咳、頭痛や全身倦怠感、筋肉痛や関節痛などの症状が見られます。多くの風邪は緊急性がないため、症状が軽い場合は自宅療養を行っても問題ありません。ただし、風邪が治らない状態が続く場合は肺炎を起こしている可能性があるので内科や耳鼻咽喉科を受診してください。インフルエンザも多くの方は軽症で回復します。ですが、持病がある方や高齢の方では重症化するリスクがあるため、念のため内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。

逆流性食道炎で喉が赤い症状で考えられる原因と対処法

逆流性食道炎は、胃酸などの胃の内容物が逆流して食道に炎症を起こす病気です。胸が焼けるような感じがあったり酸っぱいものが上がってくるなどの症状がよく見られます。逆流してきた胃酸によって喉が炎症を起こし、喉が赤くなって違和感が出たり声がかすれたりなどの症状が出ることも少なくありません。逆流性食道炎は、以下のような方がなりやすいと言われています。

アルコールや炭酸飲料を摂取する機会が多い方

早食いする習慣がある方

脂っこい食べ物をよく食べる方

食後すぐに横になることが多い方

喫煙する方

肥満の方

衣類やコルセットでお腹を締め付けることが多い方

逆流性食道炎と思われる症状があるときは、内科や消化器内科を受診しましょう。

喉が赤くて白いぽつぽつがある症状で考えられる原因と対処法

喉が赤くて白いぽつぽつがある場合は、扁桃炎(扁桃腺炎)の可能性があります。扁桃腺にウイルスや細菌が感染し、炎症を起こす病気です。風邪と同じように熱や喉の痛み、頭痛などが見られますが、特に喉の痛みが強く出やすいことが知られています。扁桃炎(扁桃腺炎)の症状がひどくなると、炎症の範囲が広がって扁桃周囲炎になったり、膿がたまって扁桃周囲膿瘍に進展する可能性があるため、できるだけ早めに治療を受けることが大切です。
「熱が下がらない」「喉が赤い」「喉の痛みが強くある」という場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「喉が赤い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

激しい痛みの症状がある場合は、耳鼻咽喉科や内科へ

喉が赤いだけでなく、激しい痛みもある場合は耳鼻咽喉科や内科を受診してください。痛みが強く唾も飲み込めないような状態になっている場合は、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎などを発症している恐れがあります。扁桃周囲膿瘍とは、扁桃腺に膿が溜まって起こるものです。急性喉頭蓋炎は、喉頭蓋が腫れた状態のことを指します。どちらも強い炎症が起こることが特徴で、時には息苦しさを伴うこともあるので要注意です。悪化すると呼吸がしづらくなり命に関わることもあるため、すぐに耳鼻咽喉科や内科を受診してください。

受診・予防の目安となる「喉が赤い」ときのセルフチェック法

喉が赤い以外に熱が下がらない症状がある場合

喉が赤い以外に膿が溜まる症状がある場合

喉が赤い以外に高熱な症状がある場合

喉が赤い以外に息苦しい症状がある場合

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