●自分の役割はとことん全うする
日々の生活も計画的に進めようとする理系男性は、分担も上手だと高世さんは言います。
「とくに時間の配分は上手いと思います。うちの夫は朝の家事を頑張ってくれているのですが、2人目が生まれるまでは、家事の担当は朝ご飯の用意だけでした。それ以降は、保育園の準備とかでバタバタしたり、私の仕事も増えて時間が足りなくなってきたりと、お風呂掃除や洗濯もお願いすることになったのですが、今まで愚痴を一回も言わずにやってくれています。『これだけの時間を作りたいから、これとこれを負担してほしい』など論理的にお願いすると納得してくれるみたいです」(高世さん、以下同)
自分の役目だと納得できると、妻にとことん協力的になってくれるのが理系男性の特徴だそう。
「以前話を聞いた理系男性は、奥さんが専業主婦ということもあって、家事はしないそうなんです。でも、奥さんのおばあちゃんが体調を崩したときは、車で3時間かかる道のりを毎週、2年にわたって送り迎えしたんだとか。ひと度サポートスイッチが入ったときには、とことん頑張ってくれる。それも理系男性ならではかもしれません」
●理系男性、じつは愛妻家が多い?
一方、会話などのコミュニケーションでは、理系ならではの理屈っぽい一面があることを踏まえておいた方がいいようです。
「何かを相談すると解決しようと、一生懸命分析してくれるんです。なので、愚痴を聞いてくれる相手というよりは、解決をしようとするので、カウンセラーに近いかもしれませんね。たとえば、とある理系男性の奥さんが、愚痴を聞いてもらいたいだけなのに、『こうしてみれば?』と解決に導くアドバイスばかりするので、『真剣に聞かなくていいから』と言ったら、本当にスルーして話を聞かなくなったそうです。なんとかしようとする姿勢は、協力的だとは思うんですが、極端ですよね(笑)」
もともとの性格もあるかもしれませんが、理系ならではの思考も関係しているのでは、と高世さん。
「理系の人たちは、地道に積み重ねることがすべての研究や学問を経験しています。そのため、夫婦関係もしっかりと相手の話を聞いて、生真面目に情報を積み重ねていくことを大事にしているのかもしれません」
そんな理系男性、じつは“愛妻家率”もかなりの高さなんだとか。
「私が今までに会った理系男性は、『妻にベタ惚れ』な人がかなり多かったです。皆さん、奥さんと仲が良くて、大好きなパートナーを助けたいという思いで子育ても頑張ろうとする人が多いような気がします。やっぱり、理系の人はゼロかイチか、曖昧さがない世界で生きているので、パートナーを決めたら、それ以外が見えないという感じですよね」
真面目で憎めない理系男性。もちろん個人差はあるはずですが、結婚したら大事にしてくれる人が多いのと、理系脳を持ち合わせていることには、何らかの関係があるのかもしれませんね。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)
【画像】『理系パパ ~ひとクセあるけど憎めない、理系なパパ10人のリアル育児まんが~』(マイナビ出版)より