「減塩レシピ」でも、物足りなさなし!「塩出し食材」や「旨味成分」で作る、高血圧予防レシピ

「減塩レシピ」でも、物足りなさなし!「塩出し食材」や「旨味成分」で作る、高血圧予防レシピ

高血圧予防のために、塩分を控えめに…と思っても、なかなか実行できていない人も多いのでは? 今回は、「塩出し食材」や、旨味成分の食材を上手に使ったレシピをご紹介します。レシピを制作したのは管理栄養士・料理研究家の成澤文子さん。身近な食材の組み合わせ次第で、血圧を下げる食事が完成します!
この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年3月号に掲載の情報です。

カリウム+マグネシウム・カルシウム
塩出し食材を摂る

カリウムに加えて、マグネシウム、カルシウムが豊富な食材を摂ることで、体の中の塩分の排出や血圧の低下を期待できます。
ここから紹介するレシピは、これらの3つのミネラルを組み合わせた減塩レシピ。
3つの栄養素のうち、とくに豊富な食材についてはレシピ内に記載しています。

カルシウムで血管を柔らかく

※可食部100g当たりの含有量
カルシウムが不足すると、骨から血液にカルシウムが補給されます。血液中にカルシウムが増えると、血管壁が硬くなり、血流は悪く、血管ももろくなります。カルシウムは男女とも約200mg不足。1日1杯の低脂肪乳で不足分をカバーできます。

マグネシウムで血管を広げる

※可食部100g当たりの含有量
天然の降圧薬とも呼ばれるマグネシウムは、動脈を弛緩させて血圧を下げる働きがあります。また、カルシウムやナトリウムの量を調整する作用も。女性のマグネシウム不足量は1日60mg程度。納豆1パックで1日の不足量をほぼ補えます。
※ひじきには、無機ヒ素が高濃度で含まれていることが報告されていますが、厚生労働省では、水で戻したひじきは毎日続けて4.7g以上食べなければ問題ないとしています。日本人のひじきの1日当たりの平均摂取量は約0.9gです。

<ブロッコリーのミルクスープ>
1人分147kcal/塩分0.6g

<塩出し食材>
ブロッコリー:カリウム
牛乳:カルシウム
材料(2人分)
ブロッコリー…1/2個(150g)
玉ねぎ…1/4個
じゃがいも…1個
バター…5g
水…150mL
顆粒コンソメ…小さじ3/4
牛乳…200mL
粗びき黒こしょう…少々
作り方
(1)ブロッコリーは小房に分ける。玉ねぎは1cm角のさいの目、じゃがいもは2cm角に切る。
(2)鍋にバターを熱し、玉ねぎとじゃがいもを入れて炒める。全体に油が回ったら水、顆粒コンソメ、ブロッコリーを入れる。沸騰したら弱火にしてふたをし、15分程度じゃがいもがやわらかくなるまで加熱する。
(3)牛乳を加えて温め、器に盛って粗びき黒こしょうを振る。
<減塩のコツ>

牛乳は100gあたり0.1gと塩分少なめ。コクがあり、塩味を感じやすくなります。具だくさんにするのもポイント。

<ひじきとにんじんのおかか煮>
1人分31kcal/塩分0.6g

<塩出し食材>
にんじん:カリウム
ひじき:マグネシウム
材料(2人分)
ひじき(乾燥)…5g
にんじん…80g
(A)かつお節…2g
(A)だし汁…50mL
(A)砂糖…小さじ1
しょうゆ…小さじ1
作り方
(1)ひじきはぬるま湯に浸けて戻し、にんじんは短冊切りにする。
(2)鍋に(A)と(1)を入れて平らにする。沸騰したらふたをして弱火で10分加熱する。しょうゆを加えて汁けがなくなるまで煮詰める。
<減塩のコツ>

旨味成分であるイノシン酸が豊富なかつお節を加えることで、薄味でも深みが出て満足感がアップ。

<あさりとキャベツのサッと煮>
1人分119kcal/塩分1.2g

<塩出し食材>
キャベツ:カリウム
あさり:マグネシウム
材料(2人分)
あさり…250g
キャベツ…200g
にんにく…1片
ごま油…大さじ1
酒…50mL
塩…少々
粗びき黒こしょう…少々
作り方
(1)あさりは砂抜きし、殻をこすり合わせるように洗う。
(2)キャベツは一口大に切り、にんにくは薄切りにする。
(3)鍋にごま油とにんにくを入れ、中火にかける。香りが立ったら、あさりを入れてサッと炒め、油が回ったら、酒を加える。
(4)沸騰したら、キャベツを入れてサッと混ぜ、ふたをして3分程度、あさりの口が開くまで加熱する。味をみて、足りないようであれば塩、粗びき黒こしょうを振る。
<減塩のコツ>

あさりのもつ旨味や塩分を活かすように調理をすることで、調味料を減らして減塩になります。

<キャベツのカレーコールスロー>
1人分67kcal/塩分0.7g

<塩出し食材>
キャベツ:カリウム
材料(2人分)
キャベツ…200g
にんじん…20g
塩…小さじ1/5
(A)酢…小さじ1
(A)カレー粉…小さじ1/3
(A)マヨネーズ…大さじ1
作り方
(1)キャベツ、にんじんはせん切りにする。塩をまぶして15分おき、水けが出ていたらしっかりときる。
(2)(A)を加えて混ぜる。
<減塩のコツ>

酢の酸味を活用することで味付けの物足りなさをカバー。カレー粉が、味のアクセントをつけます。
構成・取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) 撮影/米山典子 イラスト/カトウミナエ レシピ制作・調理/成澤文子

<教えてくれた人>

管理栄養士・料理研究家
成澤文子(なりさわ・あやこ)さん

家庭で作れる本格レシピが人気。メディア、企業に向けたレシピ開発・提案から食育指導、特定保健指導など健康支援でも活躍中。日本抗加齢医学会指導士。

日野原記念クリニック 所長
久代登志男(くしろ・としお)先生

専門は循環器学。特に高血圧の臨床と循環器疾患の予防において将来を見据えた健康サポートを行っている。著書に『高血圧がスーッと落ち着くタオルグリップ法』(洋泉社)など。

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