「子どもの夜尿症(おねしょ)」は薬で治療することをご存知ですか? 【医師が解説】

「子どもの夜尿症(おねしょ)」は薬で治療することをご存知ですか? 【医師が解説】

「夜尿症(おねしょ)」というと、成長するに連れて自然と治っていくイメージがありますが、「薬で治療することができる」ことをご存知でしょうか。しかし、薬で治療して根本的な解決になるのか疑問が残ります。そこで今回は、Sunnyキッズクリニック」の若林先生に夜尿症(おねしょ)を治療する意味について、詳しく伺いました。

≫子どものおねしょとメンタルは関係ある? 夜尿症の原因について教えて!

監修医師:
若林 大樹(Sunnyキッズクリニック)

慶應義塾大学医学部・医学研究科卒業。各基幹病院の小児科勤務や慶應義塾大学病院小児科助教を務めた後の2020年、埼玉県川口市に「Sunnyキッズクリニック」開院。子育てサポートという観点から、小児医療を地域に提供している。日本小児科学会認定専門医。日本小児アレルギー学会、日本周産期・新生児医学会の各会員。

編集部

ところで、薬でおねしょを止めても、本質的な解決になっていない気がします。

若林先生

「お薬の服用をやめたら、元に戻ってしまうかもしれない」ということですよね。その議論は多々なされています。しかし、夜尿症を止める目的も、一緒に考えていただきたいのです。単にぬれた寝具のお掃除という手間なのか、それとも、お子さんの「心の成長」を大切に思うのか、どちらが大切だと思いますか?

編集部

「心の成長」を重視するなら、薬に頼るのもひとつの方法だと?

若林先生

お薬は治療の導入として、とても重要な効果があります。お薬と一緒に「夜尿症ノート」をつけていただくと、見た目でも効果がわかりますよね。そのときの自己肯定感が、最終的な卒業につながっていく印象です。生活指導も含めた治療介入をすると、自然経過に比べて治癒率や治療期間が短くなるとされています。

編集部

その一方、おねしょが怖い病気のせいだったということはないのでしょうか?

若林先生

ありえる話です。ですから、医師としては、定義や問診だけで夜尿症と診断せず、考えられる各種検査を必ず挟みます。夜尿症のお薬が効くか効かないかも、怖い病気を推し量る重要な材料になるでしょう。

編集部

そう考えると、やはり日本泌尿器科学会の定義が参考になりそうです。

若林先生

夜尿症の定義は、「一般的に考えると、なにかしらの病的な状態を抱えているかもしれませんね」という判断材料として用いるのが適切でしょう。このとき、「お子さんを叱って解決しよう」とは考えないことです。ご家庭でなんとかしようとせず、小児科へご相談ください。治療の必要性は、その後に考えましょう。

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