「10代の白血病患者の生存率」はご存知ですか?症状や早期発見のポイントも解説!

「10代の白血病患者の生存率」はご存知ですか?症状や早期発見のポイントも解説!

白血病は10代が発症するがんで最も多いがんです。小児の白血病はほとんどが急性で進行が早く、あっという間に命を脅かす状態になってしまいます。

わが子が白血病と診断されると、生存率を最も心配する親御さんは多いでしょう。症状・治療・治療後の生活なども気になるところです。

この記事では、10代が白血病を発症した場合の生存率や症状について解説します。10代の前半・後半の患者数とそれぞれの特徴も解説するので、ぜひ参考にしてください。

≫「慢性骨髄性白血病の症状」はご存知ですか?慢性期・急性期・進行期の症状も解説!

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

白血病とは?

白血病は血液のがんです。病型は急性骨髄性白血病・慢性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病・慢性リンパ性白血病の4種類あります。
15歳未満で発症する悪性腫瘍を小児がんと呼びますが、白血病は小児がんで最も患者数が多いです。小児白血病の内訳は約70%が急性リンパ性白血病(ALL)、25%程度が急性骨髄性白血病(AML)でほぼ全例が進行の早い「急性」となっています。
白血病の初期症状は発熱・貧血・骨の痛みなど多岐にわたります。いつもと様子が違うと感じたら、早く専門の医療機関に連れて行ってください。
急性リンパ性白血病・急性骨髄性白血病いずれの場合も、治療は多剤併用化学療法が中心です。急性リンパ性白血病は10ヶ月前後入院治療した後、外来で1年半程度治療を続けます。急性骨髄性白血病は半年程度入院治療するのが基本です。
標準的な治療が効きにくかったり、中枢神経に再発したりした場合は放射線治療・造血幹細胞移植・免疫学的治療・分子標的治療薬による治療を行います。

10代の白血病患者の生存率は?

10代を含め、小児白血病の生存率は年々向上しています。
長期生存率(10年)は1980年代は46.4%だったのに対し、2000年代は87.3%です。病型別に長期生存率をみると、急性リンパ性白血病は2000年代で87.0%、急性骨髄性白血病は1995~2009年のデータで87.5%となっています。
また、AYA世代に当たる15~19歳で急性リンパ性白血病の患者さんに小児型治療を適用した場合の寛解率は、90%以上の方が寛解するようになってきました。AYA世代とは、思春期(15歳~)から30歳代までの世代で、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとって生まれた呼び方です。

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