チームラボ施設で撮影された「下着丸見え画像」が拡散、鏡に映った「パンツ」撮影でも犯罪なのか?

チームラボ施設で撮影された「下着丸見え画像」が拡散、鏡に映った「パンツ」撮影でも犯罪なのか?

⚫︎鏡越しの撮影でも「同じ罪に問われえます」

——それでは、同じくチームラボの展示施設において、鏡に映り込んだスカート姿の女性の下着を無断で撮影する場合はどうでしょうか

まず、鏡越しに見る行為から考えてみます。これは迷惑行為防止条例の「卑わいな言動」(5条1項3号)を疑われることがあるでしょう。報道ベースでは手鏡をスカート内に差し込んで覗く行為の検挙事例が見受けられます。

ただし、法文では「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為」という要件があることや、判例上(最決平成20年11月10日)、「卑わいな言動」とは、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいうと解され、女性客の後ろを執ように付けねらい、デジタルカメラ機能付きの携帯電話でズボンを着用した同女の臀部を近い距離から多数回撮影した行為が「卑わいな言動」とされていることからは、鏡越しの場合には、近距離から執拗に見る程度の行為に限られるでしょう。

続いて、鏡越しに撮影する行為については、条例の盗撮罪にしても、性的姿態撮影罪にしても、撮影方法に限定はないので、鏡に映り込んだものを撮影した場合も、同じ罪に問われる可能性があります。

鏡越しに撮影した画像を拡散する行為についても公然陳列罪(同法3条2項)が疑われます。

ただし、鏡に映り込んだものを撮影する場合は、カメラをスカート内に差し込む場合と比べると、距離的に少し離れることから、下着を狙って撮影したのか、それともたまたま下着が映り込んだのかが判然としないことがありうると思います。

【取材協力弁護士】
奥村 徹(おくむら・とおる)弁護士
大阪弁護士会。大阪弁護士会刑事弁護委員。日本刑法学会、法とコンピューター学会、情報ネットワーク法学会、安心ネットづくり促進協議会特別会員。
事務所名:奥村&田中法律事務所
事務所URL:http://okumuraosaka.hatenadiary.jp/

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