「子どものおねしょ対策」夜中に起こすのはNG!? 親が注意する3つのポイントを医師に聞く

「子どものおねしょ対策」夜中に起こすのはNG!? 親が注意する3つのポイントを医師に聞く

子どものおねしょ対策で、「夜中に起こしてトイレに行かせる」ということをしていませんか? 「Sunnyキッズクリニック」の若林先生によると、実は夜中、一度トイレに行かせるのは逆効果とのことです。一体どういうことなのか、詳しく伺いました。

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監修医師:
若林 大樹(Sunnyキッズクリニック)

慶應義塾大学医学部・医学研究科卒業。各基幹病院の小児科勤務や慶應義塾大学病院小児科助教を務めた後の2020年、埼玉県川口市に「Sunnyキッズクリニック」開院。子育てサポートという観点から、小児医療を地域に提供している。日本小児科学会認定専門医。日本小児アレルギー学会、日本周産期・新生児医学会の各会員。

編集部

家庭でできる工夫として、夜中に1度起こせば、おねしょを回避できそうですが?

若林先生

むしろ逆効果になりかねません。「寝ている間、あまりオシッコをつくらないようにしよう」とするホルモンの働きを阻害してしまうからです。また、長期間にわたって続けられるかどうかも問題です。やはり、本質的な解決を優先すべきだと思います。ただし、夜尿を検知すると音が鳴る「アラーム療法」は有意だと考えます。お子さんって、自分では夜尿に気づいていないのですよね。「夜間に起こす、起こさない」とは別に、「このタイミングでやっちゃった」という問題意識をもたせることも、解決につながるプロセスでしょう。

編集部

そして“怒る”こともダメとのことでした。

若林先生

はい。怒ることも逆効果です。それよりも、おねしょをしなかった朝に褒めてあげてください。こうした成功体験を「夜尿症ノート」に付けて「見える化」することも大切です。そのとき、夜尿症の有無だけではなく、“量”にも注目しましょう。量が少なくなってきているのも、治りはじめているサインです。こうすれば、お子さんは「治ってきているな」という自覚をもち、落ち着いてきます。“起こさない、怒らない、落ち着かせる”の「3つの“お”」を、ご家庭で実践してください。

編集部

ほか、家庭でできることはありますか?

若林先生

「暖かくして寝る」などいくつかありますが、まずは「3つの“お”」からはじめてください。たくさんあると覚えきれないですし、「3つの“お”」ができてから医師と相談して、できることを増やしてみてはいかがでしょうか。加えて、「夜尿症ノート」の活用ですね。

編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

若林先生

「夜尿症は治療で治せる」ということが、あまり知られていない印象です。「勝手に治る」と思われている保護者の方は一定数、いらっしゃると思います。このとき、「夜の蛇口を止める」ことも大切なのですが、お子さんの心の成長にも留意していただければなによりです。総じて、親子を問わず「困っているとき」が受診のタイミングだと思っています。

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