「うつ病かも…」と思ったらどうすればいい? 受診目安を医師に聞く

「うつ病かも…」と思ったらどうすればいい? 受診目安を医師に聞く

忙しい現代社会のなか、日々の生活にストレスを感じている方も多くいらっしゃるでしょう。そんなストレスを放置していると、だんだん「うつ病かも……」と不安になってくる方も多いと思います。ストレス社会のいま、どのような症状が出たら病院を受診すればいいのでしょうか。「医療法人社団こころみ」理事長の大澤先生に伺いました。

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監修医師:
大澤 亮太(医療法人社団こころみ)

山梨大学医学部卒業。国際医療福祉大学にて研修後、精神科医療や産業医としての臨床経験を積む。2017年、神奈川県川崎市に「元住吉こころみクリニック」開院。法人化に伴い「医療法人社団こころみ」の理事長に就任。現在は「こころみクリニック」「東京横浜TMSクリニック」など、首都圏に7院を展開。精神保健指定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医。日本精神神経学会会員。

編集部

それにしても、うつ病の患者から「聞き取り」をおこなうって難しくないのですか?

大澤先生

患者さんの状態によっても様々です。症状が重たい人は、ゆっくり話さないと頭に入ってこない状態であることもあります。うつ病の症状によって本来の認知が歪んでしまいますので、ときには病気を正しく認識ないこともあります。そのため、「まずは自分のことを相談しても大丈夫そう」と思っていただく関係性づくりを大切にします。ちなみに、専門的には「ラポールの形成」と言います。

編集部

うつ病の治療に使用する薬は“強い”と聞いていて心配です。

大澤先生

うつ病に使われる抗うつ剤は、比較的安全性の高い薬も増えてきています。抗うつ剤は、慢性腰痛などの痛み止めや生理前に不安定な月経前不快気分障害、過敏性腸症候群などにも使われることがあります。もちろん、休養をとることで回復もしていくのですが、脳の機能異常がある場合は回復に時間がかかってしまいます。うつ病の症状がある場合や休養をとってもすぐに良くならない場合は、抗うつ剤の治療も検討いただいた方がいいと思います。

編集部

うつ病の一歩手前でも、受診はしていいのでしょうか?

大澤先生

もちろんです。いつもの自分と違うと感じたり、生活に支障があったりする場合は、一度ご相談いただくことをおすすめします。薬を服用するかも含めて、ご自身の選択ですから専門家にご相談ください。また、心療内科や精神科は、治療に相性も関係するところが大きいのです。相性がいい方が治療成績もいいというのは当たり前でもありますが、研究でも明らかにされています。相談して快方に向かいそうと思える医師と出会ったら、あまり名医探しをせずに信頼してご相談いただければと思います。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大澤先生

誰もが多少なりともストレスを抱えているでしょう。そのため、「いつもの自分と違うな」と感じたら、今は精神科の受診のハードルが低くなっていますので、お気軽にご相談ください。また、心の問題は周囲に隠してしまいがちです。どんなに健康そうな人や明るく生き生きした人でも、うつ病になる可能性があります。うつ病では視野が狭くなってしまい、ときには「死んだ方がいい」と思い至ってしまうこともあります。周囲がいつもとおかしいと感じることがあれば、ぜひ受診を勧めていただき、抵抗される場合は「私が心配だから相談してみてほしい」などと伝えていただきたいです。

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