花粉症治療の『舌下免疫療法』受けられるのはどんな人? 耳鼻咽喉科医が解説

花粉症治療の『舌下免疫療法』受けられるのはどんな人? 耳鼻咽喉科医が解説

毎年辛い花粉症の治療のために用いられる「舌下免疫療法」を使える人は、特定の人に限定されています。そこで、具体的にどんな人が対象なのか、条件面について医師の深谷先生に聞きました。

監修医師:
深谷 和正(深谷耳鼻咽喉科クリニック)

浜松医科大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室入局後、各地の総合病院に勤務。2011年、埼玉県東松山市に「深谷耳鼻咽喉科クリニック」を開院。「しっかり治す」ための来院しやすい環境に務めている。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医、日本気管食道科学会専門医、日本レーザー医学会レーザー専門医、日本東洋医学会漢方認定医、日本めまい平衡医学会認定めまい相談医、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会補聴器相談医・騒音性難聴担当医、身体障害者福祉法指定医。

編集部

花粉症の舌下免疫療法は、誰でも受けられるのですか?

深谷先生

いいえ。日本国内では「ダニとスギのアレルギー」に限られます。例えば、小麦粉のアレルギー対策で舌下免疫療法を受けたくても、国内ではできません。加えて、保険適用の対象が「5歳以上」となっています。

編集部

まず、「スギかダニのアレルギー」と診断されることが前提なのですね。

深谷先生

はい。診断の付くことが前提で、「おそらくスギだろう、ダニだろう」の段階ではおこなえません。したがって、採血検査やパッチテストなどで確認することも適応条件に含まれます。また、陽性反応であれば、花粉症の症状が現れていない段階での「予防策」としても有効です。

編集部

禁忌や既往歴でひっかかりそうな条件があれば教えてください。

深谷先生

舌下免疫療法は免疫に働きかける治療方法なので、重症な「免疫系の病気」のある方の場合、見送ることになっています。具体的には、ぜんそくなどですね。アナフィラキシーショックのような重篤症状は“ほぼ”みられませんが、「口の中のイガイガ感」程度なら多少なりとも感じるでしょう。しかしそれは、免疫の正常な反応です。

編集部

治療期間はどれくらいになるのでしょうか?

深谷先生

人によりますが、「3~5年間」が平均でしょうか。その間、効き具合を経過観察したいので、定期受診が必須です。そして、肝心なポイントですが「毎日タブレットを服用できること」も適応条件になってきます。もし、引っ越しなどで転院する場合は、医療情報を引き継ぐこともできますので、遠慮なくご相談ください。

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