「男性乳がんを発症する確率」はご存知ですか?原因や治療法も解説!【医師監修】

「男性乳がんを発症する確率」はご存知ですか?原因や治療法も解説!【医師監修】

男性の乳がんの遺伝する確率

男性の乳がんリスクには遺伝要因も影響します。遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)はBRCA1またはBRCA2遺伝子の変異による疾患で、性別に関係なく遺伝します。男性がこの変異を持つ場合、乳がん発症リスクは低いものの、子どもへの遺伝リスクが高まります。HBOC家系出身の場合、自身の健康への注意と遺伝学的検査が重要です。検査結果をもとに医師の指導で定期的な診察や予防策を考えましょう。HBOCの男性は、乳がん以外にも前立腺がんや膵がんなどのリスクが高まることにも留意が必要です。

男性の乳がんの生存率

ここまで男性の乳がんについてお伝えしてきました。では男性の乳がんの生存率は女性と異なるのでしょうか?
以下では、5年生存率と10年生存率について詳しく解説します。

5年生存率

男性の乳がんは女性の乳がんより、生存率が低い特徴があります。男性の乳がん患者さんの全生存率は45.8%、5年生存率は77.6%で、女性のそれは60.4%、86.4%と、差が明らかです。男性の乳がんは発見が難しく、診断までの期間が長い傾向があります。男性が乳がんを女性の病気と誤解することや、乳房の小ささが早期発見を難しくしています。また、男性の乳がんは高齢で発症することが少なくないため、早めの医療相談が必要です。リスクを認識し、早期発見と適切な治療が生存率向上につながります。

10年生存率

男性の乳がん患者さんの10年生存率は47.6%と報告されています。これは女性の乳がん患者さんの生存率より低い数値であり、男性の乳がんが女性よりも予後が不良であることを示しています。
死亡した男性の乳がん患者さんの内訳を見ると、ほかの病気による死亡が3名、重複がんによる死亡が4名、再発による死亡が5名となっています。これにより乳がん以外の疾患や再発の可能性にも注意を払う必要があることがわかります。

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