大型家電の平均寿命はどれくらい?
内閣府が行った2018年の「消費動向調査」によると、大物家電(主要耐久消費財)の平均使用年数と買い替え理由は以下となりました。
買い替え理由にある「上位品目」とは、より性能の高い製品への買い替えという意味です。
これを見ると、大型家電の平均使用年数はほぼ10年以上で、理由のほとんどが故障によるものでした。みなさん結構長年使っているのですね。
平均使用年数 | |
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電気冷蔵庫 | 12.2年 |
電気洗濯機 | 10.7年 |
ルームエアコン | 13.5年 |
カラーテレビ | 9.5年 |




修理を重ねても部品がなくなればアウト!?
「故障すれば修理」の流れは一般的ですが、中には「買い替えざるを得ない故障」も存在します。たとえば、製品の製造がすでに打ち切られており、メーカー側の交換用部品がなくなったとき。
「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引委員会」によると、製造打ち切り後の交換用部品(補修用性能部品)保有期間は、製品ごとに最低年数が決められています。エアコンは9年、洗濯機は6年、カラーテレビは8年です。これを受けて各メーカーが決めた保有期間は、製品保証書や公式サイトなどで確認できます。
※補修用性能部品の保有期間は製造打ち切り後から起算されるため、メーカーによる製品の保証期間とは一致しません
現在使用中の家電の部品はまだあるのか、調べてみてはいかがでしょう。ただし、交換をあきらめる前にメーカーへの問い合わせはダメモトでも試してみましょう。メーカーや製品によっては、期間をすぎて保有しているケースもあるそうです。
電気代の節約にも!家電別の買い替え時期は?

大型家電はいずれも高価なため、少しでも安く買うには購入時期が重要。一般的な狙い目は旧モデルと新モデルが入れ替わる時期とされています。また家電量販店なら、決済時期の3月と9月(一部チェーンは2月と8月)に開催する「決算セール」も狙い目です。
購入後の節約効果も見逃せません。環境省のサイト「COOL CHOICE」では、現在使用しているモデルと購入候補のモデルについて、電気代やCO2の排出量を簡単に比較できます。買い替え検討の材料として、一度試してみてはいかがでしょう。
冷蔵庫、こうなったら買い替え!
冷蔵庫の買い替えのきっかけとなるのは、やはり冷えが悪くなったとき。この原因は主に、「冷蔵庫の心臓」ともいえるコンプレッサー(圧縮機)の働きが悪くなることです。
ただし、異音に関してはすべてが異常と言い切れないよう。「パナソニック」の公式サイトでは、同社製冷蔵庫のどこからどんな音が出るかをていねいに解説。また、「シャープ」の公式サイトは、症状・状況ごとに診断してくれる「冷蔵庫 故障診断ナビ」を提供しています。
冷蔵庫は部品交換の費用が結構かかるため、買い替えが得策となることが多いようです。また、冷蔵庫の節電機能は進化しているので、買い替えることで電気料金の節約にもつながります。
冷蔵庫、買い替えのベストタイミングは?
冷蔵庫の新モデル発売は通常、9月から11月にかけてといわれています。旧モデルの在庫処分が始まる8月ごろからが買い時といえるでしょう。
洗濯機、こうなったら買い替え!

前述の調査では買い替え理由の約81%が故障と、洗濯機は壊れるまで使い続けるケースが多いようです。長持ちさせるには、洗濯槽クリーナーを使っての定期的なカビ・汚れ落としや、取扱説明書に掲載されているフィルターや排水溝の掃除などをお忘れなく。
買い替えを考えるタイミングは、きちんとお手入れしているのに脱水がしっかりできない状態が続いたら。脱水は最もモーターに負担がかかるため、そろそろ限界がきていることの現れです。
洗濯機、買い替えのベストタイミングは?
洗濯機は従来の縦型とドラム式、またメーカーによっても新モデルの発売時期が異なります。夏冬ボーナス時期の購入需要を狙って、縦型なら5月ごろ、ドラム式なら9月ごろから発売されることが多いようです。ということは、在庫処分もこの時期にスタート。購入の狙い目となります。
ルームエアコン、こうなったら買い替え!

前述の調査では平均使用年数が13.5年と、大型家電の中でも特に長いルームエアコン。ただしネックはやはり、交換用部品(補修用性能部品)の保有期間です。
買い替えのタイミングは、やはり冷暖房の効きが悪くなったときと、異音がするようになったとき。長年使ってこのような状態になったら、買い替えを考えましょう。
ルームエアコン、買い替えのベストタイミングは?
ルームエアコンの新モデル発売時期は、メーカーとグレードによって異なります。一概にはいえないのですが、一般的に一番高いグレードのモデル(機能が多い)は10月から11月、中グレードと低グレードのモデルは2月から3月ごろが多いようです。
一番安く買える時期はもちろん、新モデルが出る直前。目星を付けている製品の新モデルがいつ出るのかを調べておくといいようです。また、エアコンは業者に取り付け工事をしてもらうため、夏直前や冬直前の取り付け繁忙期は避けた方が無難です。
カラーテレビ、こうなったら買い替え!
4つの大型家電の中で、平均使用年数9.5年と最も短いカラーテレビ。大型テレビもかなり安くなってきていますので、より大画面で見たいという買い替え需要も多いのでしょう。
テレビの寿命を決める要因のひとつは、液晶画面を後ろから照らすバックライト。バックライトが寿命を迎えると、鮮明な映像が出にくくなるため、買い替えの検討が必要になります。「パナソニック」の公式サイトによると、同社の機種におけるバックライト寿命の目安は「およそ6万時間」とのこと。国内外の調査によるテレビ視聴の平均時間(1日3時間前後)で計算すると、50年以上となります。
とはいえ、この「6万時間」は画像モードが通常の場合ですあり、うっかりつけっぱなしにすることや、休日や年末年始などに一晩中つけていることもあります。また、他の部品の寿命や部品保管期間なども考慮すると、「テレビは50年使える!」と断言することは不可能に近いでしょう。専門家によると、バックライトの一般的な寿命は7年から10年程度だそうです。テレビの寿命もこの程度を考えておくのが無難といえます。
地上波テレビではまだ導入されていませんが、BS・CS放送やインターネットの映像配信サービスでは、より鮮明な高解像度の4K映像の放送・配信が始まっています。サブスクリプションサービスを使って海外ドラマや映画をよく楽しむという人は、4Kテレビへの買い替えも考えてみては?
カラーテレビ、買い替えのベストタイミングは?
テレビの新モデル発売時期は5月から7月ごろが多いようです。ただし、2020年は東京五輪が開催されるため、直前は買い替え需要の増加が見込まれます。どのジャンルの商品でも、買い手が多ければ価格は落ちにくくなるもの。この時期は安く買い替えられるタイミングといえない可能性があるため、価格動向をしっかりと見ておきましょう。
買い替えは見極めが重要
大型家電の買い替え時期の見極め、安く買い替えられるベストなタイミングを見てきました。故障のサインに気づかなかったり、動かなくなるまで使い続けたりすると、安く買い替えられるタイミングを逃してしまうことも。しっかり見極めて、お得に買い替えたいですね。